星星の人達2
光魔法、闇魔法、星魔法の三つから選択できるようだ。雷魔法と花魔法は暗くなっており選択出来ない。どうやら自分に適正があると明るくなって、選択出来るようになっているらしい。
俺は当然星魔法を選んだ。すると容姿が、銀髪で灰色の目になった。
「大丈夫か?ケン」
「ケンさん、急にそんな姿になるなんて一体どうしたんですか?」
「ふふふ、秘密だ」
この前星魔法について、話そうと思っても話せないと聞いていたが、俺はもとから話す気がなかった。頑張って自分で手に入れたものだからな。
それにしても目立ってしまうな。銀髪もグレーの目も、初期設定では選べないからな。覚えている範囲だと、ピンクも選べなかったから、花魔法がそれなのだろう。
何はともあれ、目的は果たされた。もう、ガラントへ戻るだけだ。
「さあ、二人とも。ガラントへ帰ろう」
そう言って歩き出す俺。
帰り道、沼地に足を取られるが、モンスターが出てこないので大丈夫だった。他の二人も沼地に苦戦していたが問題なし。
ガラントに着くと、泥のついた靴を洗ってから、冒険者ギルドへ向かう。冒険者達が少なかったのもあって、すぐに呼ばれる。
「350ゴールドになります」
「はい、ありがとうございました」
「今日はもう遅いし、解散しようか」
「はい、そうしましょう」
「ええ、誘ってくれてありがとね」
「こちらこそ着いてきてくれてありがとう」
というやり取りで、ホテルにチェックインする。100ゴールドを払った。
シャワーを浴びて、ズボンを洗って乾かしたら、ベッドに横になる。そのまま寝落ちした。
「星の力ってどう使うんだろう?」
そう、ここは夢の中。
「えい、えい!」
「それじゃあ、ダメだよ」
小さい頃のリンと幼い男の子がお話している。
「星魔法!ほら、これなら出来た」
幼い男の子の言うとおり、星魔法が使えている。
「星魔法。やった!私も出来たよ」
「すごい、すごい」
そこへ一人の男性がやってくる。
「星魔法の使い方は、それだけではないぞ」
「教えてよ」
幼い男の子が言う。しかし、
「まだ教えられん。それに自分で発見した方が数倍面白いぞ」
と言われてしまった。
「そっかー。それならわたし、自分で使い方を見つけるよ」
「良いぞ、その意気だ」
「ぼくもそうする。自分で発見した方が面白いんでしょ?」
「ああ、その通りだ」
「ヒントは夜空を見上げることだ。星魔法は夜に真価を発揮する」
「「夜空を見上げること」」
二人でハモった。それだけでも面白そうにキャ、キャと笑いあっている。
「お昼は使えないの?」
小さい頃のリンが聞く。
「昼間も使えるぞ。さっき使っていたじゃないか」
「そっかー。でも使い方はそれだけ?」
「装備品が必要になるな。それもとっておきの」
「ええー、そのそうびひんは、どこで手に入るの?」
「それは秘密だ。コツコツ自分達で調べなさい。図書館が良いかもしれないな」
「でも、わたしたち、文字も読めないし」
「そうだよー」
「少しずつで良いんだ。完璧な答えを求めているわけじゃない」
そこで夢は終わった。アラームが鳴っていて俺は眠りから覚めた。やけに具体的な夢だったな。前にもこんなことがあった。LGなりのヒントの出し方なのだろう。
シャワーを浴びると、星魔法を使いたくなってきた。ブラックアリゲーター相手に星魔法を使うことに決めた。
沼地に一人で行くと、ブラックアリゲーターが大きな口を開けて待っていた。欠伸でもしていたのだろう。その口目掛けて、
「星魔法」
キラキラと輝く魔法が、ブラックアリゲーターの口に吸い込まれていった。
内面を攻撃されることは、ほぼないのだろう。一撃でブラックアリゲーターは倒れた。ドロップ品は300ゴールドと、ブラックの肉二切れだった。
ポーンと頭の中で音が鳴る。星魔法がレベル3になっていた。やはり魔法を使えると、沼地は稼ぎ場所には適しているようだ。
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