AYAと夕食
「それじゃあ、改めてLGの世界へいってらっしゃい」
ヒトミの声がすると、LGの地へ降りたっていた。
「アックスもユミもログインしていないみたいだな」
じゃあ、どうする?と考える。一人で倒せるボスモンスターなのか?もし一人でも倒せるなら、ビッグヌマエビに挑戦したい。悶々と考えていると、AYAがログインしていることに気づく。せっかくなので、チャットを送ってみる。
「沼地のボスモンスターを倒さないか?」
すぐに
「今、ちょうどガラントへ向かう途中」
と返信がある。
「夜間しか出現しないボスモンスターなんだ。それまでに落ち合おう」
「了解。広場が待ち合わせ場所ってことで」
靴と鉄の鎧を修繕する。まずは、鉄製の鎧から。メーターが振り切ったところをカーンと打つ。すると軟化の状態がついた。せっかくの鉄の鎧なのにふにゃふにゃする。だが性能が落ちたわけではない。むしろラッキーなのではないだろうか?敵からの攻撃もするりと避けてくれそうだし。
次に靴の修繕だ。長い間使っていた為か靴底がボロボロになっている。靴底の部分を200ゴールドで買い換えて、直す。メーターはもちろん振り切ったところで打つ!すると重い靴になってしまった。二回修理したのだが、+15キログラムになってしまっていた。ポーンと頭の中で音が鳴る。鎧職人のレベルが-10になっていた。
「これじゃあ戦闘どころじゃないぞ」
だが、俺は諦めなかった。
重い靴でランニングを始めたのだ。重いので最初の頃は、重い靴を引きずるように走っていたが、徐々に重い靴に慣れていく。普通に走れるようになるまでは、たっぷり四時間はかかった。ホテルをとり、シャワーを浴びた。疲れた体が生き返るようだ。
このホテルは後払いも出来るようだ、100ゴールド払ったところで、AYAを見つける。
「よう、要人警護ぶりだな。AYA」
「そだねー。ケン」
「とりあえず、夕食といこうじゃないか」
「賛成」
小料理屋に着くと
「ブラックアリゲーターの肉は調理してもらえますか?」
と聞いた。
店長いわく
「食材の持ち込みオッケー。ただし調理代だけはいただきます」
とのことだった。
女店長で良い雰囲気のお店だ。
「では、ブラックアリゲーターの肉全てを料理して下さい」
「かしこまりました」
「調理代は300ゴールドいただきます」
「分かりました。はい、どうぞ」
100ゴールドの硬貨を三枚渡す。
「それなら私も出すよ」
とAYAが隣で言ったが断った。
「今日はパーティーを組んでくれる人がAYAしかいなかったんだ。これくらい奢らせてくれ」
「じゃあお言葉に甘えます」
「お通しです。今日は特別に無料よ」
だし巻き玉子が出てきた。
「凄い美味しそう」
「早速食ってみようぜ」
ふんわりして出汁の味が絶妙だった。
「美味しいね」
「うん、美味い」
んで、本命のブラックアリゲーターの肉だが、唐揚げにしてくれたようだ。ジューシーさが、見た目からも伝わってくる。
一口パクリと食べると、肉汁がこれでもかと溢れだしてくる。肉質は柔らかく、よく火が入っているようだった。よく火が入っているのに、柔らかいの?と思った方々に弁明すると、料理の下準備で、ブラックアリゲーターの肉に穴を空ける工程があったから柔らかいのだと思う。
ブラックアリゲーターの唐揚げを堪能した後、小料理屋を後にする。夜までまだ時間があったので、AYAはホテルで仮眠を、俺は広場で瞑想することにした。
俺も仮眠をと、一瞬考えたが、ログインしたのが昼過ぎだったので、必要ないかという考えに至った。
瞑想を行っていると、誰かから声をかけられた。目を開けてみるとそこには、ユミの姿があった。
「ユミ、ログインしてたのか」
「はい先ほど。瞑想中にすみません。今夜沼地へ行きませんか?」
「ああ、良いぞ。俺達はもともとそのつもりだ」
「俺達?ですか?」
「AYAが一緒なんだ」
「なるほどです。もしかして狙いはビッグヌマエビですか?」
「その通りだ。ユミも狙いはそうだろう?」
「ええ、みんなでビッグヌマエビを倒しましょう!」
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