図書館にて4
ログアウトすると午前三時だった。まだ出来ると思いながらも、今日はこの辺でいっかという気持ちの方が大きい。
腹が減った。きっと、LGをしている間は脳の一部が働いているからだろう。しかしLG中は熟睡していることにもなっている。どちらが正しいのか分からない。もしかすると、どちらも正解なのかもしれない。
軽くシリアルコーンを食べてから、眠る。LGはしないでだ。朝七時、アラームが鳴る。本格的に目を覚ます。朝食はシリアルコーンだ。ボリボリと食べ進めていく。
ケンがログアウトして健二になった時、みんなはどうしていただろう?ログアウトしただろうか?それともLGを続けただろうか?気になるところである。
んー、と背伸びをして眠気を覚ます。今日は朝から家事を終わらせよう。掃除、洗濯をする。忘れないうちに、筋トレもやっておく。腕立て伏せ百回、腹筋五十回。
これでリアルでやることは済ませた。大学からの課題は終わらせているので安心だ。さてLGでもやるか、という時に奈央から連絡が入る。
「今日はLG出来ないかも」
「了解、アックスとユミにも会ったら伝えとく」
「うん、よろしくねー」
こういう日もある。少し自分のことを思い直してみるが、ログイン時間だけなら、結構ガチ勢なんじゃないか?そう思う。何せ朝から翌朝までほとんどLGをやっているのだ。不健康極まりない。
それでもLGをやっちゃうんだよな。それだけ魅力に溢れたゲームなのだ。LGにログインするとヒトミがいた。
「やっほー、久しぶり」
「おお、久しぶりだな」
「今日はLGをやめてきちんと寝たみたいだね」
「ああ、たまにはそういうのも良いかと思ってな」
「実は今日からリアルでの一週間に一回はLGなしで寝てもらうことになりました。LGばかりやって、なにか起きてからじゃ遅いからね」
「そうか。ついに運営も動き出したか」
「その通り!社会人ユーザーは必然的に夜寝る時間をLGにあてるしかないからね」
「今のところ健康被害は出ていないけど、先手を打った感じだね」
「了解。俺も気をつけるよ」
「今日は寝た判定が出てるから、次は一週間後だね。強制的にLGにログイン出来なくなるから慌てないで欲しいな」
「分かった」
「それじゃあLGの世界へ、いってらっしゃい」
気づくとマグナスのホテルの中だった。シャワーを浴びる。本当はログアウト前にシャワーを浴びているんだから、今シャワーを浴びる必要はないのかもしれないが、これもルーティンだ。必要性の有無は関係ない。
今日こそ図書館へ行くぞと、気合いを入れるが、その前に腹ごしらえだ。お店に行くことにした。今回はバフ無しの料理でオッケーなので、以前行った和食屋さんに行く。とんかつを注文して食べると、空腹度が満タンになった。400ゴールドを払った。これで図書館に行ける。
図書館へ着くと、児童書あさりを始める。おしろについて。これなんかどうだろう?
おしろについて
いっぱんじんはおしろにはいれないよ。
おしろのなかには、こくおうさまがいるんだ。
でも、なかなかあえないよ。
こくおうさまにあえるのは、きぞくかしょうぐん、あとはりっぱなこうせきをあげたひとだけ。
おしろのなかは、わなもたくさん。
きけんだよ。
すべてはこくおうさまをまもるため。
ふーん。国王様には一般人は会えないのか。縁遠い話だな。
ポーンと頭の中で音がする。自動翻訳のレベルが10になった。
それと同時に司書さんに訪ねに行った。
「星星の人達に関する本はありませんか?」
「レベルは・・・足りてますね。少々お待ち下さい」
眼鏡姿の司書さんはそう言って、奥へ消えていった。帰ってくると、
「禁帯出ですので、館内でお読みください」
と言われた。
どれどれ?題名は星星の人達について、か。
星星の人達の特徴は、その容姿に出る。銀髪で灰色の目をしている。
星星の人達は普段から隠れて住んでいる。迫害されないように。
星星の人達は星の力が使える。どう使うかは調査が行き届いていない。
過去に星星の人達を異端と称して狩りをしていたことがある。今ではそういったことは、みんな忘れてしまって、なかったことになっている。でも星星の人達は忘れていないだろう。
そういったことが書かれていた。
ポーンと頭の中で音が鳴る。自動翻訳がレベル11になっていた。
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