裸プレイ
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次にすることといえば、モンスター狩りだろう。ご飯を食べてから再ログインすると装備を外して街の外へ出ようとした。すると憲兵の方に呼び止められてしまった。
「ちょいとそこの君、装備はどうしたんだい?」
「装備は邪魔なのでしまっています」
「装備が邪魔って・・・拳法でもしているのかい?」
「いえ、装備をつけると強くなっちゃうんで外しているんです」
ますます意味が分からないといった感じで憲兵さんは見てくる。
「まあ、辺り一帯草原だし、弱いモンスターしかドロップしないから、良しとするか。では通行を許可する。武運を祈っているぞ」
周りの人にこそこそと
「裸プレイだ」
と言われたが、服はちゃんと着ている。装備を外してプレイするのを裸プレイというのだ。
「こちらこそありがとうございます」
と憲兵さんに一言。
これから始まるバトルにワクワクしていた。草原の香りというのは、どうしてこうも爽やかなのだろう。初心者の剣があるから、それを使おうか、と考えている時に、スライムと遭遇した。初心者の剣で少しでもダメージを与えられれば良いと思って、斬りかかった。そこで、曲芸師の効果で前に転びそうになる。思わず前宙すると、スライムを一刀両断しており、ガッツポーズが出た。スライムゼリーがドロップしており、お腹も満たせそうだ。
LGでは満腹度0%の空腹の状態になると、動きが50%遅くなる。だから適度な食事が必要なのだ。だがそこはケン。満腹度を回復しようとはしない。
「空腹で縛りプレイも出来るからな」
どことなく呟いた独り言にも縛りプレイガチ勢の匂いがプンプンする。
「次は素手で挑んでみよう」
と、次のスライムを探す。草の茂みから出てくるスライム。それも二体。
「てりゃあああ」
アクロバットも生かして、空中かかと落としを決めていく。これでも一撃だった。ならばと、パンチをもう一体のスライムに放つ。流石に一撃は無理だった。
スライムのタックルを受けてみる。HPの一割ほどが減った。防具をつけていれば、この半分にも満たないダメージ量だろう。だが、防具を着ていない今だと、後九発のタックルで、死に戻りしてしまう。だからこそ良い緊張感の中で戦える。
スライムのタックルを受け止めて、ジャグリングのように空中で回す。その間にもパンチを繰り出していく。最後に空中から落とすとスライムのHPは尽き戦いに勝利した。
曲芸師の戦い方ってこうだったけ?と疑問に思いながらもケンは歩みを進めていく。少し草原の草の丈が長くなってきた。
お次はスライム三体。三体ともジャグリングで回していく。その後、合計スライム五体と遭遇し、ジャグリングしていく。そのまま歩いているとキングスライムと遭遇してしまった。
「まだまだ草原の浅い所にいると思ってたけど、大分深いところにやってきていたんだな」
ジャグリングしながら、どうやったらキングスライムに勝てるのか、考えてみる。
「今、持ってるスライムが武器になるんじゃないか?」
そう判断して、スライムキングにスライムを投げつけていく。
「ふふふ、驚いてる、驚いてる」
スライムキングに明らかな動揺の色が見えた。その後は、一旦投げつけたスライムを回収して、またスライムキングに投げつけた。合計八体のスライムを二度も投げつけられたスライムキングは怯んでいた。投げつけたスライムはHPが尽きて、スライムゼリーをドロップしていた。念のためスライムゼリーを食べておく。いくら縛りプレイが好きであっても、負けるのは嫌いなのだ。
初心者の剣を取り出してスライムキングに真っ直ぐ向かって行く。剣を突き立てるとスライムキングの体液が出てくる。真っ直ぐ剣を下ろして切り込んでいく。剣を引き抜いて相手の出方を見るケン。
スライムキングは体を震わせると、赤、黄、青の色様々なスライムを出してくる。さっきまで戦っていたスライムは緑色だったので、パワーアップしたスライムだろう。
これ幸いと赤、黄、青のスライムをジャグリングしていく三体ずつなので、九体をジャグリングしていることになる。連続でスライムキングに投げつけてやった。すると赤色は炎、黄色は電気、青色は水ダメージが入ることが分かった。しかも通常のスライムより大漁が多いので、四回も投げつけることが出来た。
スライムキングはそういうことで、割りとあっさりと倒すことが出来た。スライムキングのドロップ品は、100ゴールドとスライムキング討伐の証。どうやらスライムに遭遇しにくくなるようだ。今の俺には無用の長物かとも思ったが、試しに装備してマグナスまで帰ってみた。帰りは一匹もスライムに遭遇しなかった。
「これはそのうち効果を発揮させるものだな」
本日のスキルレベル 曲芸師レベル9 アクロバットレベル5 その他1
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