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図書館にて3

ブックマークありがとうございます。

目覚めるとLG内の朝六時だった。行動するには少し早いので、シャワーを浴びて何をするか、考える。その前にステータス画面を確認する。曲芸師師範がレベル4に上がっていた。よし、完全に朝になるまでは隠しパラメーターを上げようと決める。今回上げようと思うのは、MNO(精神値)だ。具体的には瞑想をすることで精神値を上げようと思う。噴水の前まで行くと、座禅を組み、目を閉じて意識を集中させる。雑音に負けない。そう決めて取りかかった。最初はざわざわとうるさかったが、一定の時間が経つと、シーンとしてきた。それから二時間、俺は目を閉じながら瞑想を続けた。


気がついたのは、アックスに声をかけられたからである。


「おーい、ケン。何をやってるんだ?」

体を揺さぶられる。


「なんだ。アックスか。今瞑想中だったんだよ」

「そりゃ悪いことしたな。隠しパラメーター上げ中だったか」

「ああ、でもちょうど良かったよ。そろそろ瞑想を終わりにしなくちゃ、と思っていたところさ」

「じゃあ、良かった。儂も反省しなければならないのかと思ったところだ」


「ケンはこの後どうするんだ?」

「図書館へ行くつもりだ。アックスはどうするんだ?」

「儂は森でグレズリーを狩るつもりだ」

「グレズリーは強敵だぞ。アックス頑張れよ」

「ああ、気合いを入れて行くつもりだ」


そこでお別れの挨拶をし、図書館へ向かうケン。図書館の外壁は綺麗な白で塗られている。

「ようこそ」

いつもの司書さんだ。眼鏡をかけていて、黒髪のポニーテールにしている。

「おはようございます」

俺も挨拶を返す。


そしてお決まりの児童書のコーナーへ。

「モンスターってなあに?」という本を手にする。

モンスターってなあに?

モンスターにはいいモンスターと、わるいモンスターがいるよ。


いいモンスターとはきょうぞんできるんだ。おはなしができるんだよ。


わるいモンスターとはてきたいしなくちゃいけない。おはなしができない。こうげきしてくるモンスターなんだ。


ちゅうりつのモンスターもいるんだ。けどそのモンスターたちは、しょくりょうになるから、ひとにかられてしまうんだ。いのちをだいじにしなくちゃいけないね。


続いて読むのは「きょくげいしってなあに?」だ。この本で曲芸師のことが少しでも分かれば良いけど。


きょくげいしってなあに?

きょくげいしとはバランスかんかくにすぐれたひとのことをいうよ。


ちょっとコツがいるけどね。


たまのりしたり、ジャグリングしたり、ひをふいたりして、ひとびとをたのしませるのが、しごとなんだ。


ちょっぴり、どきょうのいるしごとだけど、ひとびとから、せんぼうのまなざしをむけられると、やみつき。まちがいなしだね。


ふむふむ。曲芸師は戦闘職じゃなくて、人々を楽しませるコメディアンみたいなものなのか。これは街中で試してみる価値があるな。


バランス感覚に優れた人、というのは、あの船酔いのような状態を乗りきったからこその総評だな。もしかすると、今の状態は他の人よりバランス感覚に優れているのかもしれない。だから、ヒトミは曲芸師とアクロバットが相性が良い、と言っていたのかもしれない。


今はもう曲芸師師範だし、人々を楽しませるには十分なレベルだろう。いや、一時的とはいえ、曲芸師レベル20よりは能力が落ちているのか。じゃあもう少し曲芸師師範のレベルが上がったら、人々を楽しませることをやってみよう。


図書館を出て、アクロバットを鍛えなきゃいけないな、と思う。アクロバットを鍛えれば曲芸師師範がもっともっと活きてくる。そのためには、戦闘で体を積極的に動かすのが、一番なのだろうけど、街中でもアクロバットにつながる動きをすれば、レベルアップすると思う。


早速、バク転をする。リアルではバク転は出来ない。しかし、アクロバットの補正がかかっているからか、一発で成功する。ヒュー、と口笛が鳴った。それに続くように、拍手が沸き起こる。俺は照れながら頭をかく。


これなら、バク宙もいけるかもしれない。頭の中でよくイメージして

「はいっ!」

バク宙が出来た。街の人達に拍手を浴びせられる。嬉しい。やって良かった、という思いにかられる。そんなこんなでアクロバットのレベルが2上がった。これでアクロバットはレベル15だ。

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