荒野のウルフマン
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「ちょっと提案なんだけど荒野の方に行ってみない?」
スピアが誘ってくる。
お腹一杯だし、初めての場所は、一人ではなかなか行きにくいから、有意義な提案に思えた。
「良いよ。行こう」
草原とは反対側の荒野へ行く。草原の反対側はこんなにさっぱりとしていたのか。大小さまざまな岩があるので、意外と隠れる場所には困らないかもしれない。乾燥に強い木も何本か生えている。
「荒野にはどんなモンスターが出てくるんだ?」
「ウルフマン、ロックマン、ハゲタカあたりかな」
「どのモンスターが一番強い?」
「やっぱりウルフマンでしょう」
「そうか、ウルフマンが一番強いのか」
これで荒野を攻略したも同然だな、と思った。なぜならウルフマンは、この前のクエストで倒しているし、それより弱いモンスターしか出ないのなら、楽勝だろうと思われたからである。しかしこの予想は裏切られることになる。
「ロックマンが出たよ」
ロックマンはまさに石の塊と呼ぶにふさわしく、大分小さいモンスターだった。
ダガーで切りかかる。ガキンと音がして、ダガーが弾かれる。斬撃耐性が強いようだ。
「それなら・・・無属性魔法!」
ロックマンは倒れた。ドロップ品は150ゴールドとロックマンの宝石。
「ドロップ品にロックマンの宝石が出たんだが、これが普通なのか?」
「宝石はレアドロップ品だよ!」
「そうなのか、ラッキーだったな」
これでようやく、アクセサリー職人のレベル上げが出来る。
次に現れたのはハゲタカだ。相手をする前にスキルを取っておこうと思う。スキルは遠投にした。ダガーをハゲタカ目掛けて投げる。ポーンと頭の中で音がなる。見事に命中し、ハゲタカは火傷状態になる。そしてこっちへ向かって来た。スピアの援護が入る。槍で首もとを一撃した。ハゲタカは苦しんでいるようだ。近づいていき初心者の剣で首を切り落とした。ドロップ品は、200ゴールドと鶏肉一切れだった。
この調子なら楽勝だな、と思っていたのだが、ウルフマンが出てきて状況は一変する。ウルフマンが二体出てきた。クエスト 城壁を守れ の時に結構楽に倒せたから、二体くらいどうとでもなるだろうと考えていた。そんな気持ちのままダガーを投げる。運良く左目に当たった。攻撃力-15のダガーだったが、この際敵の視界を奪えればなんでも良い。もう一発右目を狙ったが、避けられて後ろにいたウルフマンの後頭部に当たる。二体目のウルフマンまで参戦してきてしまった。予定では、一体、一体倒すつもりだった。
とりあえず一体目のウルフマンの右目を、ダガーで潰す。問題は二体目だ。スピアが槍で応戦してくれた。左肩に槍を刺す。しかしその程度ではウルフマンの攻撃は止まらない。
「敵視」
これで二体目のウルフマンの意識をこっちに持ってくる。敵視がなければ、スピアは危ないところだった。ダガーを二本投げる。両腕でガードされて、刺さった。それでも、両手の爪を使って攻撃してくるウルフマン。軽くかすっただけでもHPの10%をもっていかれた。近距離戦になったので、側宙して攻撃を避ける。ポーンと頭の中で音がなる。両腕に持ったダガーでウルフマンの両目を潰す。代わりにウルフマンの攻撃が直撃し、40%もHPが減らされた。
こんなに苦戦するとは思ってもみなかった。ウルフマンの両目を潰してから、遠距離戦に切り替えた。ダガーを使いきってからは、スピアに攻撃を任せた。スピアは、中距離からウルフマンの心臓を狙っていく。何度か刺すと心臓に到達したのか、血飛沫をあげながら、倒れた。もう一体もスピアが相手をしてくれた。回収したダガーで援護にまわるケン。今回もスピアが何度か刺すとウルフマンは倒れた。ドロップ品は500ゴールドとウルフマンの爪と牙と毛皮、それぞれ一枚、一本、二枚だった。
これ以上の探索は無理とみて、引き上げることにした。ステータス画面を確認すると、曲芸師レベル17、アクロバットレベル13、遠投レベル5に上がっていた。
減ったHPはMPと同じように時間経過で回復する。他にも料理やポーションで回復することが出来る。今回は時間経過で回復することを選んだ。
マグナスに戻ると、スピアと一緒に冒険者ギルドへ行くことにした。いつものようにミキさんが出迎えてくれる。今さらだが、ミキさんは黒髪ロングで赤い目をしている。身長は150センチメートルくらいだろうか。俺の身長が175センチメートルなので、目測で測ってみた。
「こんにちは、今日はどのような件でお伺いでしょうか?」
「こんにちは、今日はグレズリーとロックマンとハゲワシとウルフマン討伐の報酬を貰いに来ました。」
「はい、では少々お待ち下さい」
番号札を渡される。23番だった。
「お待たせしました。23番の方」
「はい、よろしくお願いします」
「では報酬は合わせて1700ゴールドになります」
「分かりました。ありがとうございます。ミキさん」
「気をつけてお帰り下さい。ケンさん」
噴水の前でスピアと待ち合わせる。
「スピアの方はどうだった?」
「上々よ。ケンは?」
「俺も上々だ」
「そろそろ落ちるわ。昼飯食べねーと」
「了解。また機会が合ったら遊ぼうね」
「おう!」
二人でホテルに泊まってログアウトした。
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