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グリズリー戦

スライムキング討伐の証をセットして、草原へ出る。昨日より早い時間帯だが、辺りはもう真っ暗だ。腰の高さほどの草むらを抜けると、森林に変わる。チチチとピンキーバードが鳴いているが、相手にしている場合ではない。


グリズリーの真ん前に立つと、昨日と同じように洞穴で寝ている姿を発見出来た。今夜は俺が勝つ側だ、そう自分に言い聞かせて、ダガーを構える。火傷状態になってしまったが、これをグリズリーに当てれば継続して火傷のダメージが入るので、ある意味ラッキーとも言える。


狙うのは、やはりグリズリーの眼球だ。

「シッ」

と投げたダガーはグリズリーの右の眼球を抉っていた。


もう一発、なんとか左目を狙っていきたいところだ。今度は凍結状態か。運が良い。左目目掛けて真っ直ぐダガーを投げる。グリズリーの左目に当たり、悲しき声が響き渡る。

「ゴロロロロロ」


盲目状態になったグリズリー相手に位置を変えながら、ダガーを刺していく。グリズリーは見当外れの場所で、爪が空を切っている。ダガーを全部投げつけてから、グリズリーに突進していく。ロンダートをしながらダガーを二本回収する。

「行くぞ!」

運悪く一本は暗闇状態だった。だが、グリズリーは見える。近づいていって、両手に持ったダガーでグリズリーを切り裂く。


グリズリーがこちらに向かって攻撃してきたので、転がって避ける。そしてまたダガーで切りつけていく。グリズリーがこちらを向く前に

「無属性魔法」

を三連射した。大して効いていないのが、気に入らない。ポーンと頭の中で音がなる。えっ?今ので無属性魔法のレベルが上がったのか?それともアクロバットの方だろうか?


リンから貰った酒をかけて、火吹きをするとグリズリーの火傷状態が酷くなっている。


両手に持ったダガーを突き刺すと、

「今夜は本気と決めているからな」

と言い、初心者の鎧を脱いだ。そのまま初心者の鎧をグリズリーの顔面に叩き込む。

「グギャアアア」

「どうだ。面積は小さいのに、重量は+10キログラムの鎧だぞ。さぞ痛かろう」

こんな攻撃あり?と思う方もいるだろう。正解はありだ。ただし、初心者の鎧がボロくなる。

「おらあああ、もう一発だ!」

グリズリーの顎を的確に打ち抜く。こんなことが出来るのは普段から10キログラムも重い初心者の鎧を使っているからだな。


グリズリーは顎を打ち抜かれると、ふらふらし始めた。三半規管がイカれたのだろう。これ幸いと初心者の剣で切りかかる。一瞬自分がどこにいるのか分からなくなるのはデメリットだが、すぐにグリズリーを見つけたので、切りかかる。ザシュという音を立てて初心者の剣は切り込みを入れた。まだまだ攻撃は続く。右下から左上への斜めぎり。最後は心臓を狙った強烈な突き。


流石に疲れたので一息入れる。戦線離脱した。その間もグリズリーは何もない空間に爪を突き立てたり切り裂こうと必死になっている。だが、疲れたのか、出血多量でなのか、グリズリーは前足を着いて四つん這いになった。その瞬間、初心者の剣がめり込み、グリズリーは悲鳴をあげる。

「グギャアアア」

心臓にまで届いたのか、出血がひどい。


ここぞとばかりに、ケンはグリズリーに近づく。そして、

「無属性魔法」

を六連発した。


グリズリーは倒れ、消滅した。遂に俺はグリズリーを倒したのだった。ドロップ品は、300ゴールドとグリズリーの爪と肉、二本と三切れだった。ポーンという音が連続して何度も起きる。


何事かとステータス画面を確認すると、とんでもないことが起きていた。


曲芸師レベル15 アクロバットレベル12 無属性魔法レベル11


何でこんなにレベルが上がっているんだ。特に無属性魔法!グレズリーをキルしたのが、無属性魔法だからか?理解が追い付かない。とりあえず分かったことは、また一つ、新たなスキルを取得出来ることだ。


今夜はグリズリー戦で疲れたし、早めに寝ることにしよう。マグナスへ戻り、ホテルを取る。シャワーを浴びて、寝た状態でログアウトした。


リアルでは、まだ朝の5時半だった。教えてもらった通り、夜通しLGをやっていたが、体に支障はない。これなら、毎日欠かさず夜通しLGが出来そうだ。


スマホに連絡が来ている。

「健二。一緒にLife is Gameしようよ。返信を待つ。なるべく早く」

と、幼馴染みの奈央からの連絡だった。


それに対し、

「LGなら初日からやってるよ。そっちは進捗どう?」

と返信する。まだ朝の5時半だ、連絡が返ってくるわけないと決めつけていた。しかし、

「あたしも初日からやってるよ。今さっきログアウトしたところ。槍使いやってるよー」

との返信が秒で返ってくる。

「じゃあ昼飯食べたら、ログインするわ。また後で」

と返信して返事を待つ。


またしても早い連絡で

「了解」

とだけ書かれていた。

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