隣の大陸の図書館
その後は食事会となった。
手頃なお店を見つけ、入店して食べる。今回はピザ屋さんに来た。
「マルゲリータのLを一つとマリナーラのLを一つ、それとディアポラのLを一つお願いします」
「かしこまりました」
ピザが焼けるまでの間、雑談をする。
「スピア、大事にしますねって言っておいて、もう半分くらいしかシャボン玉液残っていないんじゃないか?」
「うん。この容器を大切にするって意味だから、間違ってないよ」
「そういうことか」
「他に行きたいところはあるか?」
「ケンこそ行きたい場所があるんじゃないのか?儂はそう思うぞ」
アックスに図星をつかれた。
「ああ、俺は一人で見て回りたい」
「それなら儂も一人で見て回りたい」
「私達はどうしましょう?」
「一緒に見て回ろうよ。ユミちゃん」
ということで、俺とアックスは単独行動。ユミとスピアは一緒に行動となった。
「じゃあ、何かあったらチャットでやりとりしよう」
「ま、そんなこと、そうそうないだろうけどな」
アックスがフラグを立てている。
ピザをパクパクと食べる。チーズが伸びて、本格的な感じがする。ディアポラは辛かった。
「ここの代金は儂が払っておく」
とアックスが言うので、素直に甘えることにした。
ここからは、単独行動である。といっても、星星の人達について調査するだけだが。
俺はまず、図書館に行くことにした。自動翻訳が機能してくれて、違う字でも読めるようになっている。
この国の名はデネブと言うのだが、「デネブの成り立ち」と言う本を見つけた。読んでみる。
デネブは元々、太陽の人達が作り上げた国である。なぜ太陽の人達と言われるかについては、「太陽の人達について」を閲覧して欲しい。デネブの歴史は古く、一万年以上前から存在している。なぜ特定出来ないかというと、文字を持たない文化が、どれほど続いたのか分からないからである。ここでは文字を使うようになった三千年前から説明しようと思う。我々は黒髪に黒目だった。しかしある時、金髪に黄色の目をしている太陽の人達が生まれた。それはあっという間に、広がった。その一方で、ここ千年ほどで星星の人達が広がっていった。危機感を覚えた太陽の人達は、デネブから星星の人達を追い出した。
と言うようなことが書かれていた。
続いて、「太陽の人達について」を読む。
太陽の人達は、太陽神が金髪と黄色の目をお与えになったと、言われている。その容姿は明るく照らす太陽のように、光輝くものになっている。三千年前は、黒髪に黒目だったのが、太陽神が光をお与えになったため、今の容姿になったのだ。ただし、黒髪に黒目の人達を馬鹿にしてはいけない。原始の人間なのだから。
気になるワードが出てきた。それは「太陽神」だ。
司書さんに質問してみる。
「太陽神についてお聞きしたいのですが、今でも崇拝されているのですか?」
「いいえ、一部の人達が崇拝しているだけです。ほとんどの太陽の人達は神話として扱っています」
「なるほど。よく分かりました」
ほとんどの人達は太陽神のことを神話の一部として扱っているってことか。まあ、確かに太陽神によって、太陽の人達が生まれた、と言われてもピンと来ないと思う。
そんな時、ユミからチャットが届く。
「スピアさんとはぐれてしまいました」
「私も今、迷子です」
アックスのフラグを回収するユミなのだった。
するとスピアが、
「さっきのお店の前で待ち合わせしよう。ユミちゃん」
と呼び掛ける。
「さっきのお店の場所が、既に分からないですぅ」
とユミ。
「それじゃあ儂らも協力して、ユミを探すとしよう」
アックスが提案する。
「そりゃあ、良い。ユミはその場所から移動するなよ」
と俺も参加する。
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