シャボン玉
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ホテルに到着して、真っ先に見たのは料金表である。マグナスと変わらず、100ゴールドで泊まることが出来る。リーズナブルだ。
チェックインして、それぞれの部屋へ入っていく。シャワーを浴びて、ベッドに横になって寝た。
夢を見た。それは太陽の人達との争い。一騎討ちだ。勝者はどちらか分からない。そこで夢から覚めた。
まだ午前四時だ。いくらなんでも早すぎる。瞑想をしようかとも思ったが、時間をもて余すのは目に見えている。二度寝することにした。
朝七時、再び起きる。今度はアラームをセットしておいたので、時間通りだ。
シャワーを浴びてから、外に出る。この街は碁盤のように整備されている。だから、とても通りやすいのだが、あまりにも曲がり角が多過ぎて、迷子になりそうだ。
「今日はどうしようか?」
「はい、はーい。雑貨屋さんに行ってみるのはどう?」
「ふむ。儂は賛成だぞ」
「私もです」
「じゃあ、雑貨屋さんを探そう」
しばらくして、
「なんだか迷子になりそうです」
とユミが言うと、
「とっくの昔に迷子なんじゃないか?」
と、アックス。
「えー、ちょっと雑貨屋さんに行きたかっただけなのに・・・」
スピアも凹んでいる。
「ここは一つ、人に話を聞こう」
俺はそう言って、何かのお店をやっている所に立っている人に声をかける。
「あのー、すみません。雑貨屋はどこか知りませんか?」
「雑貨屋だったら、ここですよ。私も店員です」
「おお、ありがとうございます!」
「聞いてみるもんだな」
「やっと雑貨屋さんに着いたー」
「もう迷子じゃないですね」
反応も三者三様だ。
「良ければ見ていかれますか?」
「はい、是非」
俺達四人は雑貨屋さんに入っていった。
その雑貨屋さんは、今時というかなんというか、キラキラしていた。外観は趣のあるお店なのに、内装はキラキラなのだ。
「こういうお店も良いよね」
「ですねー。ワクワクします」
と、女子二人は騒いでいる。
「これ、何ですか?」
スピアが手に取ったのは、クマのプラスチック容器である。薄いピンク色をしている。
「それは、シャボン玉液です」
「気に入りました。下さい」
「はい、200ゴールドです」
「ありがとうございます!」
スピアはシャボン玉液を購入したようだ。
「はい、こちらが、シャボン玉吹きになります」
「なにこれ。可愛いー」
そのシャボン玉吹きには、コグマをかたどったアクセサリーがついていた。
「大事にしますね」
「はい、またいつでも当店にいらしてください」
ユミは検討中のようだ。こっちが良いかな?それともこっちの方が良いかな?と考え込んでいる様子だ。
俺は砥石セットを買うことに決めた。
「すみません。これください」
「分かりました。500ゴールドです」
「はい。どうぞ」
「ありがとうございます」
「砥石セットなんか買ってどうするんだ?またバッド判定を出すために使うのか?」
と横から、アックスが聞いてきたので、
「違うよ。月の剣を修理するのに使うんだ。レアなだけあって、バッド判定では直せないようだったからさ」
「なるほど。そういうことか」
ユミはツイストバルーンを買うことに決めたようだ。
「200ゴールドになります」
「はい、これでお願いします」
「ありがとうございます」
アックスは気に入った商品がなかったようで、買い物せずにお店を出た。
「ではでは、シャボン玉ショーの始まりです!」
とスピアが言うと、シャボン玉を膨らまし始めた。
「わあああ、綺麗ですね」
ユミの言うとおり、綺麗なシャボン玉が無数に飛んでいった。