隣の大陸へ
どうやら、隣の大陸に行くのは、冒険者の中では俺達が一番乗りだそうだ。NPCを除いてだが。
「隣の大陸に行くのに、不安はないの?」
「不安がないと言ったら嘘になるが、ワクワクする気持ちの方が大きいよ」
「そっか。それじゃあ、LGの世界へいってらっしゃい」
ホテルでシャワーを浴びてから、マグナスの広場へ向かった。
「おはよう」
「おはよー」
「おはようございます」
「おう、おはよう」
スピア、ユミ、アックスの順番で挨拶を返してもらう。
「どうやら俺達が隣の大陸に行く、初めての冒険者になるらしいな」
「それ、あたしも担当AIに聞いた」
「私もです」
「儂もだ」
みんな情報は平等に出回っているらしい。
「まずは、港町グラーシャを目指すぞ」
「おー!」
スピアが元気だ。
何事もなく、グラーシャに着き、船長さんに相談する。
「隣の大陸に行きたいのですが、乗せていってもらえませんか?」
「ああ、別に構わないぞ。ただし往復で一人当たり、10000ゴールドもらうけどな」
みんなの方をチラリと見る。みんな頷いている。
「はい、それで構わないです。よろしくお願いします」
「よーし、決まりだ。出港するぞ!」
「ところで、隣の大陸に何泊かする予定なのですが、船を呼ぶ時はどうしたら良いですか?」
「なあに、この番号にチャットを入れてくれれば迎えに行くぞ」
そこには、0879と書いてあった。
「分かりました。ありがとうございます」
ゴールドは前払いで支払った。
そして船に乗り込んだ四人は出港するのだった。
「はやーい!」
「随分、とばすものだな」
時速一ノットで進んでいるようだ。一般的な船に比べれば、随分速い。
そして三時間かからないくらいで、隣の大陸へ着いた。
「んじゃ、帰りたくなったら、チャットをしてくれよな」
「はい、親切にありがとうございます」
さて、この国だが、名前をランドルフと言う。関所を通り(500ゴールドかかった)、俺達はランドルフに一歩足を踏み入れたのだった。
すると、いるわ、いるわ。そこらじゅうに太陽の人達がいた。俺の方を見て、こそこそ話している。おおかた、星星の人達が珍しい、とかだろう。
俺達からすれば、太陽の人達の方が珍しいんだけどなぁ。
「みんな、金髪に黄色の目ですね」
「これも攻略に関係するのか。ケン?」
「ああ、だと思う」
みんな体が大きく、迫力がある。レイアも170センチメートルあったな。アックスだけは、大きく見える。実際、デカイしな。
「とりあえず、宿を探そう。野宿とか嫌だ」
「そうですねぇ」
「はい、はい。賛成」
「それが良さそうだな」
みんなの同意を得てから、今日泊まる場所を探す。
「お、ここなんか、良いんじゃないか?」
手頃なホテルを見つける。
「良いですね。そうしましょう」
「おう、良いな」
「うん」
こちらにもギルドはあるのだろうか?探してみよう。
「ギルドを探してみようぜ」
「それなら順番に見て回ろう。単独行動は危険かもしれない」