リンからのお使い
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リンはそう言うと、続きを話し始める。
「レタスとトマトが足りないんじゃ」
イベント リンからのお使い と出た。
へぇ、イベント扱いなんだ。と感心していると、リンが
「頼む。トマトとレタスを買いつけて来てくれ」
と言う。
「分かった。落ち着けよリン。まずは軍資金を貰わないといけない」
「それなら、ホレ」
と、さらっと10万ゴールドを渡してくる。
「ちょっと大金過ぎやしないか?」
「構わん。どうせトマトレタスハンバーガーは売れるしな。そうそう、ユミにも10万ゴールド渡して買いつけにいってもらっている」
「ああ、まずLGでは食料が腐ることが無いもんな」
「その通り。だから、たくさん買ってもらって構わない。値切り交渉をしてくれるとありがたいな」
「分かった。ユミが先に買いつけて、品薄で野菜が高騰していないことを願うよ」
「うむ。気をつけて行けよ」
「オッケー」
そう言うと、俺は転送装置へ向かった。これで第五の街ベルセイユまで行ける。転送後、第四の街ギッシュに向けて山登りをしていた。
それにしてもモンスターが出ないと言うのは、非常に楽である。途中、休憩をはさみながら、山のてっぺんまでやって来た。
「やっほー!」
「やっほー」
やまびこが返ってくる。こんなところまで作り込んであるんだな。
ギッシュまでは、山道を下るだけである。俄然やる気が出てきた。
スピアからチャットが入る。
「今、どこにいる?」
「ギッシュに行く途中の山道」
「あー、残念。二人で遊ぼうと思ったけど、無理そうだね」
「また今度、誘ってくれ。今イベント中なんだ」
「イベント?どんなイベント?」
「リンからのお使いって、イベント」
「買い物する系だね。分かった。ギッシュで野菜を買ってきて欲しいとか言われたんでしょ?」
「正解。ちなみにユミもイベント受けてるらしいぞ」
「そっかー。ユミちゃんもダメか。じゃあヒビキとお酒でも呑んでよっかな」
「ほどほどにな。それとスピアは酒豪だから、相手に配慮して呑むんだぞ」
「うん、分かった」
そこで、スピアとのチャットは終わった。思わぬ道草はくったものの、ギッシュに無事着いた。するとそこには、ユミがいた。
「よう、ユミ。久しぶり」
「ケンさん、お久しぶりです!」
「ユミも、リンからのお使いを受けてきたんだろう?」
「はい、ということは、ケンさんもですね?」
「ああ、そうだ。10万ゴールドも渡されて野菜は高騰していないだろうな?」
「それは問題ないみたいです。在庫が大量にあるみたいでして」
「あ、そうなんだ。俺達冒険者は、アイテム欄にしまえるから良いけど、住人は作った野菜を管理するのも大変そうだな」
「ですです」
「どうやら大きい倉庫があって、そこに野菜を詰め込んでいるみたいですよ」
「倉庫かぁ。やっぱり必要だよな」
「良ければ、一緒に野菜の買いつけ手伝いましょうか?」
「良いのか?ユミはもう自分の分、終わったんじゃないのか?」
「良いんですよ。友達でしょう?」
「そうだな。じゃあレタスの買いつけをお願い出来るか?」
そう言って5万ゴールド渡そうとしたが、エラー画面が表示された。
「なになに。イベントは自分の力で挑むことだと。すまん、ユミ。俺一人で買いつけなきゃいけないらしい」
「じゃあ、着いて回ります」
そう言って、横を歩くユミ。
「へい、らっしゃい」
「おっちゃん、トマトを5万ゴールド、レタスを5万ゴールド分くれるかい?」
「おお、大口のお客様だ!はいよ、サービスしておくよ」
山ほどトマトとレタスを持ってきてくれた。
「おっちゃん、サービスしてくれてありがとな」
「いやいや、こっちも在庫処分になるからな。ありがたい話だよ」
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