表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
強引な超人気イケメン俳優と貧乏で平凡なオレの365日  作者: 緋芭まりあ
あの日、あの席で俺が出逢ってしまったのは執着愛の強い超人気俳優でした。
4/15

「どうしたんだ?」

 不思議そうな顔した店長に、颯斗はすぐさま我に返った。


 そうだ、ここは各界の著名人御用達の高級カフェだ。

 どこかで見かけたことのある有識なセレブが訪れるなんて、めずらしくもなんともない。日常なのだ。


 だからと、颯斗はそこで男を追求することをやめてしまう。


「いえ、なんでもないです」

 頭を切り替え、今度こそ早朝の常連客を迎えようと入口付近へ立ったところ、カツカツと高いヒール音を鳴らし、女が足早で店内へと駆け込んできた。

 テレビとは無縁の勤労苦学生である颯斗でも知っていた、大物女優であった。



「いらっしゃいませ」

店内のスタッフ全員が、丁寧にあいさつをする。

だが、まるでその女にはあいさつが聴こえなかったか。ただならぬ気配で、窓際に座る例のあの男の席まで、一目散に進んでいった。

 離れていてもわかるピリピリした空気。

 修羅場だろうか。

 実は、このカフェでの男女の痴情のもつれはめずらしい光景ではない。だからといって、朝からやりあう光景を目にするとなると、正直うんざりとする。

 嫌な予感しかしない。


「颯斗、コーヒーお願い」

「承知いたしました」

 運悪く、淹れたてのコーヒーがキッチンからあがってくる。

 正直なところ、颯斗はできればあの二人のところへ近寄りたくなかった。

 しかし、そうも言ってられないので、淹れたてのコーヒーをトレンチへ乗せると気合を入れて例の席へと向かった。


「大変お待たせ致しました。こちら、ブラックコーヒーのホットになります」

 コーヒーカップを男の前へ置いた瞬間、颯斗は勢いよく左腕を引っ張られた。


 え……?!

 

 バランスを前に崩した颯斗は慌てて右手でテーブルを押さえ、自分の身体が男の上へ乗っからないように必死に踏ん張った。

 その瞬間、颯斗の唇に何か柔らかいものが押し当てられる。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ