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流浪の獄
いつの日か いつの空か忘れちまった
月読の晩じゃない 寂しくもないけど
君を見るたび 逢うたび 話すたび
思うこと 思い出すこと
時間旅行に出かける 生まれ故郷まで
家族がだれか そこに友はいたのか
わたしは未来 君といま
創る景色まだ決まらなくて
数えたヒツジ 海を渡るくらい 眠れない夜に
いつの宿か どこの町か忘れちまった
出会った人 連れ添って 寄り添ったけど
いつの間にか夢見に入り はぐれちまっていた
あの子が泣いて あの子が笑う
ただそれだけで良かったのに
あの日すべてを君がうばったのさ
笑顔しか知らない無垢な君が
庭先のあしあとが 雨に溶かされて
庭先に咲いていた ビスカスが霧に煙った
雨宿りにきた 座敷わらしに
君がとても似ていたんだ
だから あの子は走り あの子は呼んだ
君の名前 君のあとを 君の家まで
恋じゃないのさ 憧れなのさ
懐かしさに抱かれていつまでも揺れて
あたたかい風よ 冷たい風よ どうか友となれ
古き友が伏して 時の徒然に 笑いが途絶えた
進みゆく未来 君といま
描く軌跡まだ捕まらなくて
絞った絵の具 空を塗りつぶすくらい
流浪が狂い咲き
黒い歴史の幕 ここから開く
夜想曲に散らされる過去の都
あざとく生きるあの子 己が獄とその胸に刻めよ




