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風は無限の繋がり


気付けば ただただ広大な草原


やはり風は大きくそよいでいた




大地の上の草達は余すことなく青々と棚引いていた


頭上に掲げた剣は重々しく 抑え込まれた神秘の光を帯びていた




天命を囁く木々の騒めき 太陽は風の使者を睨みつけ遠ざけんとせん




遠くから吼うる野獣の雄たけびは幾重にも音色を重ね


鼓膜に挑発の二字をねじり込んで狂おしく脳幹を穿つ




小さな街もなく未開発の大草原には大小の岩盤が地面より突き出て


黒い産声を上げていた




手相でも見せるように舗装もない馬車道は


河口から来たって徐々に枝分かれする川のように長く


どこまでも続いていた




青々と生い茂り 風の勢いで棚引く大草原と黒い岩肌も


陰から不気味に眼を光らせる獰猛な気配の従順な盾となり


見渡す限りの地平を身を震わせながら埋め尽くしていた




走り出せ! 


一気に駆け抜けろ!




太陽の睨みつける突き出た岩山か


風の使者のいざなう流砂の渓谷か


遥か遠くに はためく城壁の旗の嘆きか


馬車道外れの森の闇に漂う獣の棲み処か


どこへでも気の向くまま 風と共に剣に未来を預けて


前のめりに颯爽と突き進め!




何者でも行く手を阻み手向かうと言うのなら


光抑えた背中の剣を振りかざし容赦なく切り捨てるのだ!




ここに味方はいない


弱肉強食の世界に一人の剣士が立ち 彼の地を涼しく見つめ


挑戦的な笑みを生きとし生けるものに向け


おのが歴史の証人と成らんことを


風の使者に固く誓うのだ!



読んで下さってありがとうございます。

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