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となりに居てくれるだけでいい
終業のベルが鳴って教室を抜け出して
校舎をゆっくり歩く人たち縫うように
疾風のように出し抜くようにこの頬が
真っ赤に火照るまで何度も息継ぎして
心臓破りのあの坂この坂いっきに渡る
横断歩道の信号待てず少し遠回りでも
歩道橋を駆けあがっては猿飛のように
段飛ばしで思い切り飛んで駆け下りる
行き交う人々はこの目に映る暇もない
砂埃に巻かれ迷惑そうに後ろ指をさす
コバルトの空を背に足は遊歩道へ急ぐ
私の背中にスピード違反告げる警告音
ぐんぐん引き離して街の境界線とっぱ!
君の背中をどんなに追いかけてみても
君は振り向こうともせず人混みに消ゆ
影法師のように互いの顔見えないまま
胸の奥そっと秘めてた君への想い萌ゆ
今でもまだ寄り添う仲じゃないけれど
君の匂いが舞う桜色の校庭にさすらい
その手の温もりは
君の足が速いわけでもなく逃げていく
私の足が遅いわけでもなく捕まらない
私に課せられた重大な使命
それは人知れず消えゆくことだ
死にたいとかではなく
君たちがただ
みえないふりを
してくれれば
いいんだ




