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4.冒険者ギルドにて

 多少の寄り道はあったが、冒険者ギルドについた。


 冒険者ギルドは4階ほどの建物で、最上部には大きな鐘が備わっている。緊急の時に使うものなのだとか。


 薄汚れた外壁に備わったウェスタンドアを押して入り、適当に掲示板やら間取りを見てまわってみる。


 受付窓口までは結構ひらけたスペースがあった。冒険者は大柄な者も多く、このくらいのスペースが必要なのだろう。



 ユリアンはというと、私の後ろにまわったかと思うと、もぞもぞと翡翠色の長い髪を勝手に三つ編みにして遊んでいた。

 移動すると髪をいじりながら着いてくる。なんなんだ。無駄に美しい鼻歌が聞こえてくるが、なんなんだ。


 そこへ恐る恐るといった感じでギルド職員らしき人物がやってきて、ユリアンに声をかけた。ギルド長が用事があるのだとか言っている。


 ユリアンが「何故俺が…拒否する」など不機嫌にのたまうので、職員は顔を青くしてオロオロしていたのが可哀想だった。間に挟まれる人が1番辛いのだ。


 みかねて、私も今から初心者向けのチュートリアルをこなさねばならないだろうし、暇だろうから行ってきたどうだと言ったら、渋々といった感じで2階へ向かっていった。


 半泣きの職員がこちらに何度も頭を下げていたので、よほど怖かったのだろう、こちらは目礼だけしておいた。


 正直、ずっと着いてこられても気になるし、ちょうどよかったのだよ。


 髪を編まれたので、シーリーの組紐もついでに装備しておく。今は軽く三つ編みに束ねられた髪を左肩にのせて前へ垂らすようにしている。


 現実では出来ない長さの髪が新鮮すぎて、自分ではまとめられそうにないので助かった。



 ギルドカード発行のための窓口に向かうと、新規プレイヤーたちが列をなしていた。


 窓口は3つあって、左手から獣人の小柄な女性、真ん中にはメガネをかけた品のある女性、右手は見目麗しいエルフの男性がそれぞれ対応している。


 とりあえず、1番空いているところに並んだ。


 左手の列にいるプレイヤーたちの目線が1箇所に集中しているのを感じたので、視線の方向に目をやると、獣人受付嬢の豊満な胸元があった。

 動くたびにたゆんたゆんと揺れて、ブラウスのボタンが今にも弾けそうである。うーん、すごい。


 バタバタとした動きは多いが、耳を垂らしながら笑う姿は可愛らしく、一生懸命仕事をしているのも好感が持てる。尻尾が見えたが、どうも犬の獣人っぽい。


 鼻息荒めの大柄男性も、見た目小さな幼女や少年まで鼻の下を伸ばしつつも、その仕事ぶりを見守っている感じだ。その目線さえなければ平和である。


 このゲームは、見た目の性別と中の人の性別が同じとは限らない。最初にどちらでも選べるのである。中の人に関して詮索しないのがマナーであるが、皆なかなか欲望に忠実なようだ。


 ゲーム自体は全年齢対象ではあるものの、PKにしても18禁規制等にしても、成人済みならば設定して選べるので、自由度の高いものになっている。


 右手のエルフ男性の列には女性が多く、キャアキャアと華やかで楽しそうである。付き合いで並んでいる男性陣はいたたまれなそうな顔をして並んでいる。


 イケメンエルフの愛想はそれなりで、最低限の会話と終わる時にだけ口元が微かに微笑むようである。回転率が異様に高い気がする。


 グラマラスで妖艶な雰囲気の冒険者が、窓口越しに胸を強調させるポーズをとって夜のお誘いをしていたが、イケメンエルフの愛想が氷点下になり追い払っていた。あまりの表情の冷たさにこちらまで寒くなった。こわ。


 何故そこまで分かったかというと、真ん中の列に並んだ私の斜め前でそんな話をしていたからだ。


 真ん中の列は適度な回転率で、空いているように感じたのは、メガネの受付嬢が的確に受け答えをしてスムーズだからのようだ。


 プレイヤーでなさそうな人も多く並んでいることから、住人にも人気があるようだ。


 もうすぐ私の番である。


 待っている間にステータスでも確認しとこう。そういえば、まだちゃんと見てなかった。



  [ステータス]

【名前】スイード(Lv.1)

【種族】人族(Lv.1)?<天使族(未開放)>

【職業】治癒師(Lv.1)/錬金(Lv.1)

【所持金】5,000G


【HP】25/25

【MP】30/30

【LP】93/100


【STR/強さ】7

【VIT/丈夫さ】8

【INT/賢さ】10

【MID/精神力】15

【DEX/器用】7

【AGI/敏捷】6(+3)

【LUK/幸運】5(+25)


【SP】10p(+10)

【アクティブスキル】0/5(+2)

「空き」

【パッシブスキル】0/5(+2)

「設定なし」

【予備スキル】

「なし」

【称号】

「異邦人」「天使のお気に入り」



 お、称号欄が増えてる!


 タップして確認してみる。



【異邦人】

<異世界からやってくる者、プレイヤーの称号>

[スキルスロット枠+1]

[SP+5]


【天使のお気に入り】

<案内人である天使に興味を持たれた者、友愛を受けし者。設定者:ジューン>

[スキルスロット枠+1]

[SP+5]

[LUK+25]



 2個目はかなり破格なのでは…!いいのか!天を仰いでジューンにそっと感謝した。屋内のため空は見えなかったが、気分である。天井に蜘蛛の巣張ってるのを見つけた。


 気を取り直して他の欄も確認していくことにする。

ようやくステータスを確認に入りました(*´∀`*)


お読みいただきありがとうございます!

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