第1話 世界の敵
約3000年前
力をつけすぎた人族とそれに危機感を感じた神族が世界を巻き込んだ争いが激化していた時代。
互いに全兵力を使い衝突していた、誰もがどちらかの種族が滅ぶまでこの争いは終わらないと思っていた。
しかし、2つの軍が衝突している戦場を平然と歩く真っ黒なローブに黒の仮面をつけた禍々しいオーラを放つ者がいた。
誰がどう見ても異様な光景だった
あれだけ激しく争っていた戦場がその者の登場で攻撃をやめていた。
「貴様は誰だ」
神族の軍隊長が聞くと
「んー、強いて言うなら世界の敵、かな?」
そう男が言った瞬間、尋常ではない程の禍々しいオーラを放った
とたんに神族の新兵、人族の魔兵も臨戦態勢に入った
「「全軍攻撃せよ!!!!」」
両軍の隊長が指示を出すと凄まじい数の攻撃が両軍から飛んできた
地形が変わるほどの攻撃を浴びせたが男は何一つ傷ついていなかった
「なっ、これだけの攻撃を浴びて無傷だとっ!」
「俺を倒したいなら、温存などせず全力でかかってくるがよい」
そう言うと男は剣を抜き、軍勢に向かって突撃して行った
兵士たちが放つ魔法や斬撃は、全て受け流され、
男が剣を振れば間合いの内側の兵たちは切り裂かれ、魔法を放てば兵たちが吹き飛ぶ圧倒的な蹂躙であった
軍勢が絶望し始めた時、男の前に2つの人影が現れた。
1人は聖剣を携えた人族の勇者、もう1人は神々しい鎧を身に纏い純白の羽が生えた神族の英雄
「これ以上は誰も傷つけさせない!」
「今、神の鉄槌を下します」
2人の放つ純白のオーラに兵士たちは希望を抱いていた。
「我が、意思に応えよ!聖剣エクスマナ!!!」
勇者が詠唱すると聖剣がより一層輝きをました
「我が、命に従え!神槍グングニル!」
すると英雄の手魔法陣が描かれ、凄まじい輝きを放つ神槍が現れた
「やっと骨のあるやつが現れたな」
男が呟いた
「最初から全力で行くぞ!奥義エクスカリバー!」
途方もないオーラを放つ聖剣が凄まじい威力と速度で剣戟を繰り出していた、しかし男は全てを捌いていた
そして男が勇者に向かって放った剣を神槍が受け止めていた
「こちらも全力で行きます!神技フレイムピアー」
英雄が繰り出した突きを避けると男の背後には地平線まで抉られた跡があった
反撃とばかりに男が手に魔法陣を描き魔法を放つ
「ダークブラスト」
魔法陣から放たれた禍々しい闇の球体は2人の勇者と英雄により防がれた