序、
X1年11月30日 ××市立病院にて赤く発光する人型の不明物体による大量殺人事件発生。刃物及び火器銃器を使用するも全てを撃退すること適わず。鎮圧に向かった警察官計58名が死亡。
X1年12月8日 人型発光物体による襲撃で死亡と記録されていた人間が立ち上がる姿を確認。新たな人型発光物体となり生きた人間を襲う。意思疎通不可能。犠牲者を安置していた病院職員241名全て死亡。変わらず××市立病院からは新たな人型発光物体が出現。××市立病院を零地点と定める。
X1年12月17日 捕獲した人型発光物体の一部を解剖、分析。細胞分裂の速さ及び人間と異なる発達した免疫細胞を発見。未確認事象が多い事から、今後人型発光物体及び感染者をRGCケース(Red Glowing Contaminated Case:赤光しゃっこう汚染ケース)と呼称することとする。尚、本ウイルスを赤光ウイルスと呼称。
X1年12月21日 赤光ウイルスの空気感染および飛沫感染は認められず。血液に直接汚染者の細胞が触れると感染が認められた。感染拡大防止のため、××市民病院のある零地点及び6つの隣接地区を封鎖。封鎖地区との全ての境にフェンス設置完了。なお該当地区の住民は感染が疑われるため保護対象から除外とする。
X2年1月6日 封鎖地区外で発生した汚染者はすべて捕獲し封鎖地区へ収容することが決定。
X2年2月18日 封鎖地区において赤光汚染ケースの消滅事例を確認。鋭利な刃物によって汚染ケースを排除する個体を発見。識別のためサイファー個体と称する。
X2年4月9日 サイファー個体との意思疎通に成功。交渉に応じる姿勢あり。血液採取に協力。検査の結果から赤光ウイルスへの感染が認められるため、サイファー個体はウイルス耐性を持つ特異個体の発生と考えられる。赤光汚染ケース同様の攻撃性の強さ、高い身体能力、及び独自の免疫細胞の発達を有しており、赤光汚染ケース討伐のための戦闘力を十分に有していると言える。彼等は赤光汚染ケースを消滅させ、封鎖地区の住民達を取仕切り独自のコミュニティを生成しているとのこと。
X2年5月20日 サイファー個体との交渉の結果、赤光汚染ケースの制圧及び封鎖地区外への流出を防ぐ任務を正式に国家から依頼、受諾される。サイファー個体で構成された組織を『監視者』と命名す。
追記:サイファー個体は血のような赤い虹彩、そして体から刀を生みだす特徴を持つものを指す。