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第α1話 永田祐樹

αは視点変更の意味です。

『昨日午後3時頃、世界遺産登録申請中の長崎県端島、通称軍艦島にて公安委員会のヘリコプターが何者かによって撃墜されました。直後に海上保安庁の巡視艇が旧海上自衛隊のマーキングがされたヘリコプターによって攻撃を受けていることから、警察はこのヘリコプターによる犯行の可能性が高いと見て捜査を進めています。ヘリコプターの乗員は11人中8人が死亡、2人が意識不明の重体、1人が下半身不随の重傷を負いました』

ニュースを聞きながら、永田祐樹は溜め息をついた。

「まさか親父の艦じゃ無いよな……」

彼は護衛艦『きりさめ』艦長である永田孝一郎の息子で、現在高校2年生だった。そして、自分の父親が護衛艦で逃亡を続けている事も、自分が公安に監視されている事も知っていた。

もしもこのヘリが父親の護衛艦のものだと言うことが分かれば、自分は確実に公安に捕らえられるであろう事も。

もしも公安が捕らえに来た場合、徹底的に抵抗する覚悟は前々からしていたが、この頃の公安は尾行や監視が露骨になっている事は明らかで、抵抗すれば殺される危険性すら漂っていた。

それに、祐樹として見れば父親の行動によって捕まえられて嫌な扱いを受けるのは迷惑極まりない事なのだが、父親を慕っていたし、自分のためにも断固として抵抗しなければならなかった。

今日中に公安が来るかもな、と思いつつ祐樹は制服に着替え、家を出た。


出たのだが……後、前、右、左と四方八方から監視の目を感じる。

中には明らかに殺気を漂わせている人物もいて、それが自分に向けられている事は明らかだった。

祐樹は一応だが中学時代剣道で全国大会に出場し、ベスト8まで入っている。

殺気や監視の目を見つけるのはたやすい事だった。

向こうとしても、見つけられている事を前提とした行動のようで、撒かれないようにバックアップを大量に用意しているみたいだ。

すなわち、声掛けの時間は近い。

祐樹の得物はエアガンの拳銃と革製鞄、それに対して公安は本物の銃だ。

勝てる見込みはゼロ。

しかし、ただのエアガンであっても当たり所が悪ければ十分に凶器となる。

狙うべき場所はただ一つ。

目だ。

もしも当たれば失明するし、当たらなくても一時的に視界を奪う事は出来る。

電動ブローバック方式のエアガンだったので連射も可能だ。


だが、大問題がある。

もしも目を狙った事がばれれば逆上して射殺されないとも限らないのだ。

それではまさに本末転倒である。

それに、抵抗したとみなせば武器使用基準がゆるゆるの公安なら面白半分に撃つ可能性もある。

実際、アメリカで似たような事件は幾度かあったのだ。

つまるところ、抵抗するのが正しい選択なのかが非常に微妙なのである。

そもそも、子供が抵抗したところであまり意味があるとは思えない。

そのような事を考えていると、尾行者から声を掛けられる。

「永田祐樹君だね? 君の父親、永田孝一郎が内乱罪によって全国指名手配された。君の身柄を一時『保護』させてもらう」

男は『保護』と言ったが実際は逮捕・拘束に近いだろう。他の尾行者たちは『抵抗するな』と拳銃で脅していた。

抵抗は不可能と見た祐樹が『分かりました』と言いながら振り向いた瞬間……男が左方向に吹っ飛んだ。

尾行者たちはなにがあったのか分からず困惑しながら拳銃を四方八方に向かって乱射した。

しかし、拳銃で射撃を行った瞬間、その尾行者は吹き飛ぶ。

混乱した尾行者たちはもはや群れからはぐれた鰯でしかなかった。

あとはただ捕食されるのみ。

銃を向けていた尾行者たちも次々と吹き飛ばされて行き、大混乱に陥った尾行者たちは住宅街で実銃を乱射した。

通勤中のサラリーマンや通学中の学生たちが悲鳴を上げながら逃げ惑い、その場全体が修羅場と化した。

祐樹は未だに何が起こっているのか理解出来ずに困惑していると、何者かに右手を引っ掴まれて引きずられて行った。

「な、何だ何だ? 何なんだよ!?」

勿論、祐樹の頭は状況理解どころか?マークがただ旋回しているだけだった。



本当は今日は更新出来ない予定だったのですが、少し時間が出来たので更新させて頂きます。それと、時間的に推敲が殆ど出来ていないので誤字・脱字、文法的におかしい点があればすぐに指摘してください。出来るだけ早く修正致しますので。勿論、評価・感想もお待ちしております。

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