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魔剣戦記 序  作者: せの あすか
16/17

某日 某所 3

金色の古竜はこっちを覗き込み、言葉のようなものをふたつみっつつぶやいた後、西に飛び去った。

いつの間にか集まって来ていた他の竜も後に続く。




竜の瞳に暗い憎悪の色が浮かぶのが見てとれる。




行き先は・・・まさか。




「おい・・・やめてくれ・・・行くな」







それから、山道を馬で必死で駆けた。この怪我で帰り着けるか。

おそらく五分と五分。


震えが止まらない。流れ出る血も止まらない。

驚くほどの数の竜が、猛り狂って頭上を追い越していく。





行くな、竜よ。


それならば、私だけを殺せ。


家族を、皆を、殺さないでくれ。


行かないでくれ。





前方の空は、すでに赤黒く燃えていた。

それと同じ色の剣が背中で、かたかたと笑った。


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