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おパンティおパンティ  作者: ぬひときの
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パンティが好きだ。


おっと、失礼した。

つい想いがあふれてしまった。

突然パンティが好きだなんて言われたら、誰でも驚くだろう。

それではこれはどうだろうか。


みなさん、なにか好きなものはあるだろうか?

音楽、スポーツ、甘い食べ物、映画鑑賞…誰でも、好きなもの、趣味をもっているものだ。

もちろん僕も例外ではない。実は僕にも、前々から好きなものがある。趣味、といってもいい。そう、みなさんと一緒である。

僕はそれに親しみと敬意をこめてこう言おう。


僕はおパンティが好きだ。



パンティ ― 女性用の下着の呼び名。防寒のほかに下り物や残尿などで衣服が汚れるのを防ぐため着用される。布の面積は種類によっても異なるが、基本的に女性器から臀部、足の付け根からへその下にかけてを覆い隠す形になる。


僕の貧相な国語力では、僕の愛するおパンティの素晴らしさを、万人が理解納得させることなどとうていできないだろう。

しかしあえてその状況で魅力を伝えるとするならばまずフォルム。おパンティにはカットが浅いものやレースがついたものまでさまざまな種類が存在するが、なぜかどれもかわいらしい。ひきこまれるとでもいうのだろうか。僕はあの準三角形のような形に魅了されてしまったのだ。魔のトライアングルとはまさにこのことである。

おパンティの魅力はそれだけではない。その形だけが好きというのならば、布を三角形に切って頬をなでつければよいだけの話である。しかし、それでは全く意味がないということを僕は知っている。おパンティとは、女性が履いていてこそその真の魅力を発揮するのだ。女性のあのやわらかで白い、触れれば砂城のようにくずれさってしまいそうな肌を優しく包み込み支える。僕はそんな健気なおパンティを、涙なしには見られないのだ。

三度の飯よりおパンティ。いや、むしろ三度の飯をおパンティにお供えしたい。

赤ちゃんの健康と快適を守るおむつのように、全ての女性の健やかなる成長と共にあるおパンティ。

僕の産声はきっとおぎゃあ。ではなくおぱんてぃ。だったのだろう。

そう言い切れるほど、僕は唇が擦り切れるほどおパンティと口に出し、脳がとろけるほどスカートの中を、瞳がふやけるほどボトムスの中を想像しては無に還し、創造しては破壊を繰り返しているのだ。


でも実は、僕は女性が履いているおパンティを見たことがない。

家族は全員男だし、母はボクサーパンツみたいなものを履いている。

ここまで熱く語っておきながら、おパンティを見たことがないなんて、きっと誰しも笑うだろう。

だから見てみたいのだ。

僕の夢と希望があふれるおパンティ。

それをみたとき、僕は一つ成長をするのだと思う。


しかし僕は予感していた。

目を背けてきた。


おパンティを見た時、僕の夢は叶う。

そしてそれは同時に、僕の夢の終わりを表しているのだということを。




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