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怪物は一日にして成らず  作者: ランナー
3章 青春の過ごし方
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44話 ワクワク修学旅行③

 朝食は相変わらずの沖縄感がない料理ばかり。


 「クソ! なめてやがる! 俺らをなめてやがる!」

 スゲェ文句を言いながらガツガツ朝飯を食べてる大輔の声が聞こえる。

 文句は言うが料理はしっかりと食べるのか。さすが大輔だ。


 「うおおぉぉぉぉ! パジャマ! パジャマの女子はいないのかぁ!」

 続いて聞こえたのは恭平の声。

 どうやらパジャマ姿の女子がいないことに落胆しているらしい。

 良かった。岡倉をあのままここに連れてこなくて。


 「あはは、相変わらず騒がしいね」

 「だな」

 同じ席で食べる哲也が苦笑いを浮かべている。

 主に騒がしい連中はほとんど野球部だという事実。こんな野球部をまとめるとか哲也も大変だな。



 朝食を食べ終え、早速海水浴だ。

 10月上旬、この時期の沖縄は海に入れないほど寒いわけじゃない。

 むしろ入る事もできるぐらいの暑さはある。さすが沖縄。


 更衣室で須田に見つからないうちに、スパッと水着に着替える。

 水着に着替えた所で須田が俺を見つけた。危なかった。もうちょい遅かったらなにをされていたか。

 と思ったけど、須田がちょっと嬉しそうに俺を見ている。なんかまだ危ない気がする。



 海水浴と言ったが、正確にはマリンスポーツ体験ができるらしい。

 シュノーケリングやドラゴンボートにまたがる事もできる。どちらも事前に体験したいという生徒限定だ。

 俺はどちらも参加するつもりはなく、砂浜で仲間たちと駄弁る。


 「英雄! ひと狩り行こうぜ!」

 ここで恭平登場。昨日女子部屋突撃失敗したのにめっちゃ元気だ。


 「ひと狩りってなんだよ」

 「決まってるだろう! ボインウォッチングだ!」

 満面の笑顔を浮かべて答える恭平。だと思ったよ。

 そんな事してるから女子に嫌われるんだぞ恭平?


 「オーケー、行こう」

 そして俺もこんな事してるから女子に嫌われるんだろうな。



 って事で、恭平と連なって女子たちの水着を見に行く。


 「最大の獲物は鵡川だな。もしくは岡倉。あのデカさは獰猛だ」

 獲物とか言うな、余計に卑猥さが増すだろうが。


 「英雄は誰がターゲットだ? 山口か?」

 「出来れば言いたくはないが岡倉だ」

 正直、岡倉のデカさには興味がある。

 高校一年の時は80オーバーだったはずだから、相当なものを持っているに違いない。


 「ふふっ、お前も獣だな」

 「さすがにこれは否定ができん。獣の性だ」

 格好つけているつもりだが、まったく格好良くない俺たちだった。



 適当なところに並んで座り、男二人マジマジと女子の水着を見る。

 普段はブレザー姿の女子生徒がこうして水着姿になり、肌をさらしている。心なしか全員可愛く思えてしまう。これが肌色のパワーか。


 「やべぇ、脳内ハードディスクの容量が足りねぇ」

 隣でぶつぶつ呟く恭平。

 さすがにこの光景全てを保存していたら、容量は容易くオーバーしそうだな。


 「うーん、さすが山田高校、女子のレベルが高いな」

 なんか一人でうんうん頷いている恭平。

 それは納得だ。見ていて可愛い女子がたくさんいる。なんで今まで気付かなかったのだろうか。本当水着とは人を変えてしまう魔力があるな。


 「くっ……このままでは俺達は情けない子犬だ! 英雄! ナンパするぞ!」

 はぁ? 何言ってんだこいつ?


 「お前、さすがに同じ学校の生徒はやめようぜ」

 第一、俺たちのナンパの戦績覚えてるだろう?

 高校一年の時から始めて、まだ一度も勝利してないんだぞ?


 「英雄、臆病風に吹かれるな! スウェーデン食わぬは男の恥って言うだろう!?」

 スウェーデンではなく据え膳だ。それにこの状況は据え膳ではない。

 というか、同じ学校の女子をナンパする勇気も度胸も俺にはないし、臆病風に吹かれていたほうがまだマシだ。


 「悪いが俺は遠くから視姦する方が好きなんだ」

 「そうか。ならここで見ていろ! 俺が女とイチャイチャする所をな!」

 そういって勇んで女子の方へと向かう恭平。一体どんな生活を送ったらあんな自信が芽生えるのだろうか。

 勇んで女子の方へと走っていく恭平だが、心なしか女子たちが逃げているようにみえる。というか普通に避けられている。

 あれじゃあ声をかけることすら難しいだろう。太ももの上に頬杖を突きながら、恭平の奮闘を眺めている。


 「あ! 佐倉じゃん!」

 そうしていると声をかけられた。

 視線のほうへと向ける。そこには水着姿の藤川百合と鵡川梓が立っていた。

 わお、二人共スタイル良いなぁ。なるほど、恭平が獲物というだけある。鵡川、意外に胸あるな。しかも程よい大きさ。悪くない。


 「よぉ」

 だが俺は恭平と違ってマジマジとは見ない。

 俺は一目見るだけで確実に脳内ディスクに保存するだけの技術を持ち合わせている。ふふっまたこうして俺の天才さをアピールしてしまうわけだ。こういう分野で才能を開花させたくはなかったがな。


 「どうしたのこんなところで?」

 「いや、あいつの奮闘を見ている」

 そういって指差すのは、必死に女子に声をかけようとしている恭平。

 だが女子が明らか逃げている。同情するほどに滑稽だ。可哀想だが同時に面白くもある。


 「あぁ嘉村か。本当佐倉って嘉村のこと好きだよね」

 「その変な意味に取られそうな言い方やめてくれ。確かに恭平は見ていて飽きないが、好きではない。俺は普通に女が好きだ」

 どっかのイケメン須田とは違ってな。


 「うわ、女子に向かって女が好きとか普通に言っちゃうんだ佐倉って」

 ちょっと藤川さん、引いた目で俺を見ないでくださいよ。分かってる。自分でも酷い発言したって自覚はあるから!


 「素直な性格してるからな、嘘はつけないんだ。許せ」

 最大限キモさを消す努力をしつつ、爽やかな笑顔を浮かべる。


 「それより、お前ら水着似合うな」

 話を逸らすように二人を一瞥する。

 藤川は赤のビキニ水着、鵡川は白色のビキニ水着。どちらも似合っている。


 「そう? お世辞でもありがと」

 俺の反応を聞いて嬉しそうに笑う藤川。

 恭平が今の発言したら藤川はどんな反応を示すのだろうか?


 「世辞じゃねぇーよ。今嘘つけない素直な性格って言っただろう? 本心から言ったんだ」

 「え? あ、そうなんだ……ありがとう……」

 ここで合わせ技をしてみる。

 ドン引きされる覚悟で言ってみたのだが、思いのほか藤川は満更でもないように照れ笑いを浮かべた。

 さすが俺、天才すぎるぜ。なんの天才かは知らんがな。


 「そういえば佐倉はマリンスポーツやった?」

 「いや、やってない。砂浜で俺だけの城を作るつもりでな。俺、一国一城の主になるのが夢なんだ」

 「なにそれウケるー!」

 クソつまらん冗談に世辞でもウケてくれてありがとう藤川。

 そうして何気なく俺の隣に座る藤川。ってか鵡川を待たせてやるな。まったく話に参加してないじゃないか。


 「藤川。座るのはいいが、恭平が戻ってきた時にあいつの対応をしないといけないんだぞ?」

 「あ、そっか、じゃあ私たちそろそろ行くね」

 一瞬にして立ち上がる藤川。恭平……お前って奴は……。

 だが大丈夫だ恭平。俺だけは最後までお前の味方だ。


 俺のもとから離れていく鵡川と藤川。その姿を見送り、もう一度恭平へと視線を戻す。

 まだやってるのかあいつは。いい加減諦めろ。


 恭平の馬鹿な行動を見つつ、砂浜を一望する。

 さすが沖縄。白い砂浜に青い海という言葉が一番しっくりくるぐらい、砂浜は白く、海はどこまでも青い。なにより海の透明度が半端ない。

 これだったらシュノーケリング体験をすれば良かったかな。


 そうして砂浜を一望していたら岡倉を発見した。浜辺で友人の飯山さん達とキャッキャッしている。

 前言っていた通り、ピンクと白を基調としたワンピース水着を着ていた。腰辺りにはフリフリがついていて、遠目から見ても子供が着てそうな水着に見えた。

 ほんわか子供っぽい岡倉にはお似合いなのかもしれない。

 そして遠目から見てもでかい。飯山さんを始め周りが小さいせいか、余計に際立っている。あれで盛っていないとしたら相当なものをお持ちだぞあいつ。恭平の言う通り獰猛だな。


 沙希も一応探したが見つからなかった。

 おそらくマリンスポーツ体験のほうに行ってるのだろう。


 「英雄ー! ビーチバレーしようぜー!」

 そんな俺に声をかけてくる今井と前田。

 ビーチバレーか良いなぁ。俺は立ち上がり「了解!」と一言返事を返す。

 そして恭平のもとへ。


 「恭平! いい加減諦めてビーチバレーしようぜ!」

 「なに!? 分かった! やろう!」

 どうやら恭平はナンパを諦めたようだ。

 ってことでビーチバレーをやることになった。


 俺は誉とチームを組み、恭平は野球部の助っ人にもなった卓球部主将の今井と、大輔は中村っちと組み、哲也は前田と組んでバトルする。

 恭平、今井ペアと哲也、前田ペアは、運動神経抜群の俺と誉のチームプレイで何とか破るも、大輔と中村っちのパワーコンビには、圧倒されてしまった。

 特に大輔に関しては、全く手が出なかった。圧倒的な力の前に俺と誉は為すすべもなく打ち倒された。


 「クソ、強すぎだろ」

 マジで大輔のアタックを返せる気がしない。

 あと中村っちのアタックも中々強烈だ。こちらも反応するのが大変だった。

 大輔を見る。なんかあらぬ方向に視線を向けている。その方向に俺も視線を向ける。水着の女子の集団がいた。

 大輔が女子の水着に見惚れるなんて知り合って初めての出来事だ。


 「大輔、お前」

 「うん? あぁ、ちょっとな」

 俺に気づかれたというのに大輔は動揺はない。さすがだ。


 「お前が女子の水着に見惚れるなんてことあるんだな」

 「そりゃあるさ。俺をなんだと思ってるんだよ?」

 そういって笑う大輔。

 いや食べ物にしか目がないパワーお化けとしか思ってないです。


 しかし大輔は相変わらず男前だ。

 時たま見せる笑顔は、まさに男っぽい良き笑顔だ。さすが男の中の男なだけあるな。

 大輔がこんな格好良く見えるなんてな。肌色パワーは恐ろしい。

 しかし大輔を魅了する女子がいるとはな。一体どんだけ可愛い女子なのだろうか? 今度改めて大輔に聞いてみるか。

 そんな感じで海水浴の時間も過ぎていく。

 しかし、沖縄の海は良いものだな。いつかまた来たいな。



 そしてホテルで昼食をとってから、バスで美ら海水族館へ。

 班行動なので、哲也たちと行動する。


 「おおお! すげぇ! 魚だ! ウマそう!」

 「英雄! 水族館で騒ぐなよ!」

 美味しそうな魚を見てはしゃぐ俺を哲也が子を叱る親のようにたしなめる。

 ガキで悪かったな。小学生以来の水族館だから、テンションが上がってるんだよ。


 「この魚、食用なのかな」

 「こいつは天ぷらにしたらウマそうだな」

 「分かる。こっちは煮付けかな」

 「いや、あっさりしてそうだし塩焼きでも良くね?」

 哲也を除いて、俺、誉、前田、高山と揃いも揃って魚を見ながら、どの食べ方が一番ウマいか? と話し合う。


 「みんなは魚を美しいとか思って見ないの?」

 「魚は食い物だろう?」

 「英雄の言う通りだ。魚は食いもんだ!」

 哲也が頭を押さえた。

 うん、俺たち水族館向いてないわ。



 美ら海水族館最大の見所であるジンベエザメの展示エリアへとやってきた。

 巨大な水槽から見えるジンベエザメは凄い迫力があるが、どうしてもどうやって食べたら美味しいかと考えてしまう。


 「ジンベエザメってウマいのかな?」

 「分からん。だけどサメの一種なんだろ? じゃあ食えんじゃねぇ?」

 一応、俺たちの住む県のお隣の県のある地域では、サメの肉を食っている地域もあるらしいし、食えなくはないだろう。

 だがどうなんだろうか。美味しくないという可能性も否定できない。

 なんだろう。魚をウマそうかマズそうかでしか見ることのできない自分の感性が凄く幼稚に感じてしまい、情けなくて悲しい。



 「あれ? 佐倉じゃん」

 しばらく歩いていると、藤川に声をかけられた。

 どうやら藤川と鵡川、その他数名の女子グループのようだ。


 「ハロー! 偶然だな」

 俺は藤川に挨拶をする。


 「おっ鵡川! よぉ!」

 「あ……佐倉君、こんにちは」

 ついでに、鵡川にも挨拶をしておく。

 誉が前田君の陰に隠れてガッツポーズをしている。まぁ好きな人に会えたからね。


 「佐倉はこれからどこ行くの?」

 「あぁ、マナティー館なるものに行く予定だ」

 マナティーってのを、俺は良く知らない。

 大輔の話では、海の牛みたいで美味しそうだとか言っていたが……。


 「マジ!? 私達も今から行く予定だったんだよね。私達の班と一緒に行かない?」

 「別にかまわんけど、俺と一緒に行っていいのか?」

 一度藤川の奥に居る女子どもへと視線を向ける。

 これでも恭平と共に、女子から嫌われている男子ランキング上位に位置する俺だぞ? 正直、恭平と一位二位をワンツーフィニッシュしている自信はある。まぁ上位に位置している理由の7割ぐらいが恭平のせいだと思うけど、それでも嫌われているのは確かだろう。

 だが思いのほか反対意見は無かった。ってかよく見たら合唱部の面々だ。納得。


 「俺らの班の意見もまとめとこう。反対意見ある人は? ……いないな。んじゃ行くか」

 と言うわけで、A組鵡川班と一緒に、マナティーなる美味しそうな生き物を見に行く。



 マナティー館に向かいながら、俺は鵡川と会話をする。

 いつもなら藤川だが、今日はなんとなく鵡川と話したい気分なんだ。男にはそういう気分があるんだよ。きっと。

 藤川はどこかつまらなさそうに、哲也に話しかける。奥手の哲也は照れながらも、会話をしている。

 誉もつまらなさそうに、別の女子と話している。思いのほか、盛り上がっている感じだ。

 前田と高山も別の女子と話している。なんだ、みんな男女で盛り上がっているじゃないか。良かった良かった。


 「なるほど、マナティーって魚じゃないんだ」

 鵡川にマナティーについて聞いた結果、魚じゃないらしい。

 なら本当に美味しそうなのか? そういう疑問が沸く。

 ってか、アザラシを白くした感じって、さっぱり分からん。


 「うん、でも食用とかにもされているらしいから、三村君の考えはあながち間違いじゃないかもね」

 「なるほど。とりあえず可愛いってのは、よく分かった」

 などと会話をしながら鵡川と歩く。

 何故か、山田高校の男子生徒からの敵意ある視線をぶつけられている気がする。

 あれ? 俺なんかしちゃいました?

 あ! もしかして、鵡川と並んで歩いている俺が憎いの? 憎いのかなぁ? 今どんな気持ち? 学校一の美少女と評される鵡川の隣に、俺みたいな大して格好良くもなく、むしろ女子から嫌われている男がいるこの状況見て、どんな気持ち?

 あれ? なんだろう。俺まで泣けてきた。



 こうしてマナティー館に到着し、生まれて初めてマナティーという生物を見た。

 出てきた感想は「可愛い」という単純なものだった。


 「な、なんだ、この可愛さ。どこが美味しそうなんだよ」

 大輔の嘘つきめ! こんな可愛い生物を食べるなんて、俺には出来ない。

 てかあいつ、これを見てよく美味しそうと思ったな。あいつどんだけ食い意地張ってるんだ。さすがの俺も感性を疑うぞ。


 「クソが、なにが食用だ! こいつを食用にしている人間どもが憎いぞ、この野郎!」

 マジで可愛い。寸胴な体型も、ちょっと哀愁漂う顔も可愛いし好みだ。家で飼いたいぐらいだ。

 でも、こんな大きな動物を飼えるほどの巨大な水槽はないので諦める。


 「うーむ、これだけでも沖縄に来た価値があるな。本当可愛い」

 などと呟く俺。マジで惚れちゃった。すげぇ可愛い。

 隣で見る鵡川は、おそらく俺に引いているだろう。大して格好良くもない男が、可愛い可愛い連呼してるしな。まぁそれでもいいや。

 しかしながら、鵡川は俺に話しかけてくる。


 「うん、沖縄に来た価値があると思うよ。私もマナティーは可愛いと思うもん」

 鵡川は言う。なんだ引いてないのか。

 俺を見て嬉しそうに笑う鵡川。うん、鵡川も可愛い。鵡川なら家で飼えるかな? とここまで考えて、さすがにこの発想は恭平並みの変態だなと自覚し止める。

 でもまぁ、鵡川のこの笑顔を見ただけでも、マナティー館に来た価値があるな。……これぐらいは思っても許されるよな?



 この後、成り行きでイルカショーを見に行く。

 山田高校の生徒も多くおり、そんな中で俺と鵡川は並んで座る。夏の県大会決勝戦を思い出す。

 イルカショーは面白かった。良く調教されたイルカは多芸に秀でており、輪っか潜りや、数mの高さまでジャンプしたりなど、見ていて面白い。


 こうして修学旅行二日目、美ら海水族館を見終わった。

 自由行動の時間も終わり、集合場所へと戻ることとなる。


 「そうだ佐倉君」

 「うん? どうした?」

 他の班員よりちょっと後ろの方を歩きながら鵡川と話をする。


 「えと……その……」

 なんかもじもじし始めた。

 相手が沙希なら「お花摘みか?」などと冗談も言えるが、さすがに鵡川には言えないので言葉を待ってあげる。なんて紳士だ俺。


 「佐倉君がよかったらで良いんだけど、連絡先交換しない?」

 なんだ、そんなことか。

 てっきり愛の告白でもされるのかと思ったよ。


 「あぁいいぞ」

 そういってスマートフォンを取り出す。

 こうして鵡川と連絡先を交換するのだった。

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