96/9342
季節の移ろい
凛々しい輝くような少年、*香月昇星。5年間日本で夫を待っていた香織共々、拍手に包まれながら、川上氏も最後に挨拶を締めくくった。白川系は孫昇星と一緒に、これから、日本鳩界発展の為に競翔させて行くと言う決意と、香月系統が日本鳩界にいよいよ分譲の形となって、各地の強豪鳩舎と戦う事になる訳だ。磯川もはっきり宣言した、自分もその時は来たらば、競翔に復帰する事を。関西から、磯川パイロン号系を引き取り、新たな交配をして、競翔参加する事も告げるのだった。ただ、あくまでもそれは彼の決意であって、超多忙で重責のある身、*香月一男と共に、周囲は許容してくれる土壌は政春には客観的に見ても浅いと思われた。
同じ帝国ホテルの一室に泊まった、浦部と政春だったが、政春の暁号系導入申し出にびっくりしましたと浦部が笑った。
「それがね・・浦部さん、清治が赤い目をした茶色の鳩が来るんだよって出かける前に言うんです」
「又、予知夢ですか」
「ええ、でも、私はその言葉を意識過剰で聞いていたのかも知れません」
*キーワード 清治に関わる重要人物




