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季節の移ろい
「ほう・・俵さん、その申し出ですが、実は、今晩の席上で発表しようと思っていた所なんですよ、貴方が本日ここへ来られたのは、何か運命かも知れませんね。それは、そのお子さんがきっと*競翔界に望まれている人なのかも知れません。はい、香月暁号系を分譲致します。いえ、是非使翔させて下さい。日本で、初めて行う研究が、香月暁号系統の日本での環境適応力です」
「うお!」
全員が声を上げた。
「香月君、それは大変な騒ぎになるよ。世界が注目する超超距離系だから」
*清治は確かに競翔界で名を馳せるが、その世界が彼の人生に大きな影響は少ない。むしろ、発掘調査から変化して行くのである。まだ清治は幼い。そして、能力と言えども微々たるものに過ぎないのだ。その殻は何枚も破らないと、彼本来の能力は顔を出さない。




