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再び・・
その新天王として歩み始めた清治のここまでの行進の中で、竜王の誰一人として否等を唱える者などは居ないし、がっちりとその心を掴んでいる。信頼と言う新しい概念が、この関係を築いて来ているのだ。神竜は、むしろその部分に大きな共感を得ていたのだった。
そして、僅かに清治に伝わる感覚があった。竜神の存在が確かにあると言う事だ。そして、それは清治達を待っているぞと言うものに聞こえた。清治は、それを希望に思えた。不思議な感覚である。自分の大親友と、実父の乾坤一擲の闘いを余儀なくされ、それでも落胆し、悲哀にも思えぬ感覚とは・・天神天馬によって、ここまで成長して来た清治の心の有り方もあるのだろう。そして、彼にしか分からぬ感覚があるのだろう。




