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決着の行方
竜神は、今にも伸ばしそうな櫂鴛棒を阻止しようと、界を落ち着かせるため静かな声音に。しかし、界は、今の緊張を微塵も緩める様子は無い。力もどんどん強まっている。界の激しい竜憤発現以降、竜神も殆ど全力を今阻止に向けて傾注しているのだ。言葉は、しかし続ける。そこで説得出来ねば、恐らくこの勢いでは、この世界が本当に終わる。界は、それだけの事をやろうとしているのだ。こんな矛盾に満ちた世界ならば、いっそ壊そうと思っているのだ。自分自身など、どうなっても良い。そして、未来・過去に伸ばした櫂鴛棒だけが、破壊されないならば、何かの根が残る。そう言う考えだと分かったのである。界は、それでもまだ納得出来ない部分を吐露して行く。そこに界の自制心がまだ働いている証左だった。




