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決着の行方
会話は、もう大きな局面に突入したようだ。また、この会話こそが、竜神の最後の謎まで迫っている事も、界には何と無く分かって来た。
「ああ、やれよ。でもさ、俺はリミッターを外す。後はどうなるのかは分からねえ。でもさ、俺をそこまで追い込んだ竜神だからこそ、俺がまだ正常な思考が出来ている内に言ったまでだ。フェアだろ?俺は、不意打ちが嫌いなんだ。何を甘い事を今更言うのかと言われても、自分を曲げる事なんて出来ないからさ。それが俺だ。櫂王として生まれた俺の血だ。清治も俺も、生まれた時から、王の冠を被っていた。他の竜王には一人もそんな者は居なかったんだよな。唯一神竜を除いてさ。その神竜も、自分を変化させる術を生まれた時から身につけていた」
「む・・むう・・」
竜神の顔が、更に厳しさの中に、眼に一瞬の隙をついても、界に致命的な一撃を与えんと言わんばかりの竜噴とともに、全身を覆っている。眼に闘気が最大限込められているのも分かる。明らかに変わっているのだ、今。会話が再び、三度成り立つような局面では無かったが、敢えて語り始めた。




