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ある境
「初めて言うがな、毘竜。竜王になると言うのは、心がまっさらな者では無いかと思うのだ。我らは一芸のみ長用され、それを磨く事によって竜王の位置を得た。しかし、その中で、平和・安定の時には殆ど我らのその能力等は用を成さぬ。又、互いに能力を披露し合う事も無かった。しかし、今この清治殿の行軍の中で、様々な事を学び、経験し、自分の内なる能力も開眼している。しかし、それでも我らに必要なのは、その一芸を更に磨く事。所詮、コピーした能力等真似たものに過ぎぬ事。神竜殿は、恐らくその神髄を見たのでは無いか?お前のな・・いや・・これも憶測の話だ。何の根拠もない。又、神竜殿の真髄を測れる程我らは、そのステップには到底到達など出来ぬのだから。まして、自分の能力が必要であるならば、是非使って欲しいと願い出る立場では無いのか?と・・言えども、我らのトップには天竜殿が居られる。全て把握されているであろうがな、ははは」




