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誘う者
獨爛の膜が、こうも第五、第六獨爛に至って更に強い事は、悟っていたからだ。また、全くの不明物質。この難題をクリアしないうちに、先に進める道理は無い。立ち止まらずを得なかったのだ。
小さな声が聞こえた。天神天馬はもう急速にその能力を失いつつあったが、もう最後の消えるような伝達だった。
「清治・・言える時に伝えて置くわ。神竜殿こそ、天上界、そして、竜族最強の切り札。それでもなお、足りない時には界王殿の力を借りなさい。天竜殿にも、神竜殿が今から秘策を相談すると思います」
「分かった・・俺は部下を信じる事だね・・」
「・・・・」
もう返答は無かった。天神天馬は、もう清治を乗せる天馬になったのだった。恐らく最後の力を振り絞り清治にその言葉を伝えたのだろう。




