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誘う者
「そう思って頂いて構わないわ。まして、天神の役職を失った私に、何が申せましょうか。私がそれを口に出した瞬間に消えてしまいましょう」
「え!それは嫌だ!か、母ちゃん!やっと・・やっと俺は、無限の彼方に落とされ、彷徨い、そして天上界でその母ちゃんに逢えたんだよ!俺は、もう離れたくないっ!うおおお」
「清治・・・」
清治は、子供のように叫んだ。天も界も興竜も泣く。そして、清治は天馬に抱きついて嗚咽する。やっと逢えた本当の母。その母と、やっと今本当の親子のように苦しい中にも愛情に満ち、信頼関係の中で生きているのだから。こんな幸福は無い・・。天神天馬は優しい声で言う。




