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誘う者
「じゃあ・・我々が思い上がった観念を持って、この行軍をしている・・?」
天が、厳しい顔で言った。しかし、それは恐らく言ってはいけない部分だ。興竜は、だから口を閉ざしていた。
「おい、天。それは現天王を批判する言葉だぞ。俺達はトップの指示に従い、行軍をしている。そこを否定したら、俺達は何の為・・」
界が言う。天神天馬も厳しい顔になった。しかし、
「そうですね。一番言いにくい事を、今、天竜殿は敢えて口に出されました。そして、天宮でも、この声は聞こえているでしょう。故に今ここで停止し、今一度の総括をしている意味を知らねばなりません。私は・・これで全てを語りました。役目は、そろそろ終わりのようです。私の知識が残っている中でお話は続けますが・・」




