8787/9342
誘う者
清治が、口を挟むなと言われていたのだが・・ここで言葉を発した。
「・・・・」
興竜は口を噤んだ。それ以上はもう言いたくないように、その口を真一文字にしたからだ。
「清治、黙っていなさいと言ったのに・・では・・興竜殿はもうそれ以上を言うつもりが無くなったようですね。今・・初めて言いますが、私はもう天神天竜としての天職も失ってはおりますが、天神としての仮の天職も完全に失ったようです。そもそも私が天神天竜である事の矛盾も、何度も重ねて言うようにあったのですが、その頃の天上界は、雑然・混沌としていて、天魔界とのせめぎ合いがありました。又、新たに生まれた魔傑天魔王に加担した王臣等も存在し、乱れ切り、不完全極まるものだったのです。私が天神天竜として、二つの天職を兼務出来たのもそう言う事です」




