8717/9342
誘う者
「本日は・・?」
「はい、全姫様には益々ご隆盛の事、この天宮からあまねく照らされ、八門によって放たれる宮光もその輝き・強さを増しておりまする」
「あの・・駄羅神殿、ご挨拶として、それは礼節を欠く事かも知れません。でも、返礼も致しません。貴方程の方が直入に申し上げますが、それだけを告げに来られたのでしょうか?」
この天宮に、駄螺神が世間話をしに来る事は無い。自分の大事な持ち場を離れて、ここまで来る用件は何だ?と、全は直入に尋ねるのだった。
「あ・・いや。勿論、全姫様が、お感じのように世間話をしに来たのでは御座いませぬ」




