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季節の移ろい
「何・・志村?ほう・・・」
脇坂の顔が、少し曇った。
「その時、私はこう、答えました。いかなる歴史上の天才であろうと、運命を変える事は出来ません。又この世に輪廻があると仮定して、それを司るのはもはや神だけでしょう。どうやら博士は、*その領域に踏み込まれているようですね?」
「ふ・・ふふ。流石にお前さんは鋭いのう。だが、もう領分はわしの及ぶ所では無い。しかし、人為的にそれを行う事が出来る者がもし居たとしたらどうなる?お前さんの研究もそう言う域に既にあろうが」
「はは・・。私の生涯では、その答えはやはり出そうに無いですね」
*不可思議領域 清治の人生のキーワード




