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第一章
「あ!浦部さん。どうも、先日は色々ご教授有難う御座いました」
政春、弓子が浦部に頭を下げる。
「私も俵さんにご連絡しようと思っていたのですが、競翔もあり、仕事の方も忙しかったので、済みません」
浦部が言う。
「あ、いえいえ。とんでも無いですよ」
政春が手を振って答える。
「お子さん、元気そうですね。お名前は?」
「清治と言います」
「あっちのブランコの所に私の子達が居ます。あのブランコで遊んでおいで、清治君」
浦部が優しい笑みでそう言うと、清治は、ブランコ付近で遊んでいる子供達の所へ走って行った。やや離れて弓子も付いて行く。
ベンチに座りながら、政春と浦部が談笑を始める。