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季節の移ろい
「えっ・・先生が?」
脇坂に歩み寄る政春に、ソファーの3名が驚いた。
「脇坂って、あの世界的な考古学者の?」
香月が少し、失礼しますと、一端政春とその席を離れた。
「先生!」
政春が言うと、
「おう・・俵君じゃないか、どうしてここへ?」
「先生こそ」
「いや、ここに居られる桑原さんに前に呼ばれておってな。こちらに来ると言う返事もしなかったんじゃが、近くに居たもので、急に思い出したのだ。それに、香月博士にも一度会って見たいと思うていたんじゃ。一目で分った、貴方じゃの?」
「香月です。本日はおいで下さいまして有難う御座います」
「やはり君が香月博士か、若いなあ・・。流石に良い目をされているわ」
「ははは。さあ、どうぞ、こちらへ」




