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第一章
「休みに、鳩を飼っている近所の浦部さんの所へ行って来るよ」
「どうするの?」
「鳩の飼い方も知らず、どうしたら良いのかも分からないから、色々聞いて来るよ。それに一羽だけと言うのも淋しい気がするしね」
「ええ、あの子が喜ぶなら」
弓子は賛成した。夫婦には、新たな活力が生まれた気がした。
浦部和史・・覚えて居られるだろうか、「*白い雲」(*登場人物)東神原連合会で、*香月達「この話でも登場して来ます」と競翔をしていた、あの、浦部である。仕事の都合で、この町に引越し、今は結婚して一男一女の父である。現在39歳。既に、*あの頃(白い雲)より17年経過していた。
清治にとって、浦部と言う出会いも決してこれから起きる様々な出会いや、生き様の中で影響を受けなかった一人では無い。全ては、この浦部から出会った事で、この次元の表舞台に清治が顔を出すのである。