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志村恭介編 ニ尾城
高村が意を決したように言った。
「そうなんだ。お前達にこの岡山へ行けと言ったのは、*脇坂博士がお前達を巻き込みたくない思いもあるんだろう。そして、紅水晶ペンダントはやはりもう1つあったんだよ。その1つを博士が持っている。そのもう一つの原石産地と思われるのが、四国の新宮村と言う所だが、絶対にこの事を知られてはならない。この紅水晶を何度も言っているが、ある組織・・それは或いは複数の組織なのかも知れないが狙っている。お前達が、自力でこの秘密に辿りつけないようなら、それで良し。しかし、真世ちゃんまで辿りつくようなら、高村、お前が真世ちゃん、志村達の防波堤になってやれ・・そう言う事だった。こんなに早くお前達が真実に迫って来るとは思わなかったよ」
その高村の言葉には、今度は嘘が無いようだった。志村はこの時思った。品川は前途ある若者。そろそろこの辺で開放してやろうと・。




