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志村恭介編 ニ尾城
「成程・・お子さんの居られない先輩が、この真世ちゃんのつまり父親代わりの感情を持たれた・・そう言う事ですか?」
「あ・・ああ。そうかも知れない」
高村の顔が少し歪んだ。この時品川が再び沈黙を破り、
「先生!もう、これ以上の追求は良いじゃないですか。それは彼女には関係ない事です」
志村が厳しく言い返す。
「関係あるのか、無いのかは、それは今調査の最中だよ、品川君。君は自分の心情でものを言っている。学者はどんな時にも冷静な判断が求められる。私見を交えてはならない。この真実を明らかにする前に感情を持ってする君は、既に学者では無い!」
品川が、泣きそうな顔になって再び項垂れた。高村も下を向いた。志村が更に追求を続ける。
*二人には真世が強く関与している。これは事実




