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志村恭介編 ニ尾城
「済まん!お前を欺くつもりは無かったんだ」
高村が両手をついた。
「そのネックレスが本物だって言う事は私も認めますよ。だから訳を」
「・・・ここではもうお前達は何も探るな。真世ちゃんの存在を認めるなら、それで、今は充分じゃないか、これ以上調査を進めるとお前達の身にも危険が降りかかる」
「何度も聞いていますが・・しかし・・実体が分からないものに」
「実際の所、俺も分からん。しかし、*西方城発掘以来様々な事が近辺で起きている。*発掘前後から脇坂博士も何度も命を落としそうになり、この*真世ちゃんのご両親にしても不自然な事故死だし、お手伝いさんの岸田さんにしても、*白川家の火災で亡くなっている。余りにも立て続けに色んな事が起きているんだ」
*確かに周囲に蠢く不気味な存在が感じられ始めた




