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季節の移ろい
これに何か夢が関係あるのかも・・政春は、宮本宮司を尋ねて、その民話と、清治の夢を話した。何が政春を突き動かしていたのかは分からない。少年のたかが夢の話。しかし、その夢は白蛇を見たと言う清治、政春の幼少の頃からの記憶の中での言い伝えもあり、思った事を宮司に話したのだった。正春は無意識化の清治によって動かされているのだ。何故なら、清治がこれから自身の能力を上昇させるべき、キーワードになる人物や出会いが、ここから始まっているからだ。神社の子鳩もそうだった。
「ほう・・白蛇を見た子の夢・・成るほど。その民話はわしも聞いた事がありますなあ」
「荒唐無稽な話で、申し訳ありません。ただ、清治・・私の子が実際に棹の杜にある大楠を見ている事もあり、それが夢にも出て来て、又白蛇の話は、自分も小さい頃から幸運の使いと教わっていますので、何か気になったのです」
「確かに・・白蛇は、この数年来姿を見た者は居らなんだが、その子の夢の白馬とは、童馬の事だろう」




