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志村恭介編 ニ尾城
「ほう・・それは?」
志村と品川がネックレスを覗き込んだ。高村が言った。
「そのネックレスは紅水晶で出来ている。ただし、普通の水晶では無い。そのネックレスで、セラミック製の包丁が紙のように切れるんだ」
「高村先輩・・何故この娘が?それに何故先輩が?」
「俺はな、恐かったんだよ。*西方城で実際出土したものを見て。これは、とてつも無い事に俺は首を突っ込んでいるんじゃ無いかって思ってな。この娘の両親は5つの時、不幸にも交通事故で他界されたが、岸田と言うお手伝いさんがこの娘さんの家に働きに来て半年位の事だった。丁度それは脇坂博士と俺が、西方城の事でこの地に出くわした時だった。*古書を発見したのは、丁度斎阿覚寺に我々が立ち寄った時の事。そこでお手伝いさんと遊んでいた当時5つのこの娘が言うんだ。この*寺の裏手にあるお堂の中に古い本があるよって」
*真世自身も脇坂・高村を動かしているのだ




