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志村恭介編 ニ尾城
「次のステップ?我々が嗅ぎ付ける?何を?」
志村の眼が光った。
「ほら・・その眼だよ。志村、お前は学生の頃から敏感だった。しかし、まさか真世ちゃんの似顔絵まで見せられた時は、見知らぬ少年が描いたなど、余りに信じられない事にどきっとしたよ。お前の情報源ではどこまで探っているかと言う事だ」
「え・・先生・・どう言う事ですか?先日の留守の時に何か・・?」
何も知らない品川が志村に聞くが、彼はそれには答えず、高村に尋ねる。
「・・一体、その真世さんに何があると言うのです?」
「私が答えます」
斎藤真世が、高村に向かって小さく頷いた後、志村に向かって言った。




