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志村恭介編 ニ尾城
「どうした?志村君・・?」
政春が聞いた。
「心あたりでも・・?」
清治も志村の顔を覗き込み、聞いた。
「あ・・いえ・・しかし余りにも知っている顔に似ていたんで・でも、まさか・・」
霊魂や超能力など信じない志村であったが、清治の能力はやはり改めて本物だと感じた驚きであった。そそて志村は俵達に礼を言い、貴重な資料のコピーを受け取ると、今からすぐ岡山へ帰ると言い出した。
*清治はこの時、更に志村に意味深な言葉を打ち明けている。
「あの・・この少女の実在は分りませんけど、非常に存在自体が空気のような・・あって無いような感じがして・・けど、確かに何か感じるような・・済みません。言っている自分の言葉すら分らないようなものですけど」
「ああ・・有難うね、清治君」
*清治の感覚は、恐らくこの世の者では無い。霊魂のようだと示唆したのかも知れない




