志村恭介編 ニ尾城
「いやいや・・お役に立てて光栄だよ。所詮私達は素人。趣味で集めた物でしか無いが、大変興味深い物に君が突き当たっているようで、それ以上は到底自分達には探求出来ない部分だし、現実的な無理がある。その考古学との結び付きは、香月博士が殆ど提供されたもので、清治がまとめたもんだよ」
「へえ・・*香月博士が超お忙しい方なのに、こんな資料を?」
志村は、尊敬する香月博士の顔を思い浮かべながら、遠くを見るような顔になる。清治が言う。
「自分は、何故か最近になって幼少の頃の事を思い出すんですよ。今は、競翔鳩に夢中になっていて、*清竜号と言う鳩のお陰で、色々な事も勉強出来たし、こうやって父さん達と仕事も一緒に出来る毎日が楽しいです。香月博士も尊敬してますし、志村博士も尊敬してますから。必ず大発見出来ますよう応援しております。それに・・又こう言う不確かな事ですけど・・*夢に見た女の子・・確か自分と同じ年だと思うんですが、こう言う感じの子でした」
清治がパソコンで、合成した写真を見て、志村がドキッとした。
その顔色を見て、政春が志村に尋ねる。
*清竜号は、清治の分身とも言える鳩だ。その鳩の帰舎訓練が清治に情報を与えている。勿論清治は、まだ本当の能力を目覚めさせては居なかった。




