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志村恭介編 ニ尾城
志村が政春に言う。
「俵先輩・・白髪が目立つようになりましたねえ」
「はは・・私も、もう50歳後半だ。君も・立派になって・と言いたいが、君程の優秀な学者がまだ無名である事の驚きの方が私には大きいよ」
「いえ・・私は・・」
志村は苦笑した。
「ところで先輩、資料を」
「ああ、これだ。*清治。志村君に少し話を聞かせてあげなさい」
「その資料ですが、1つは敦盛に関してのもので、三皇神社の古文書を自分なりに調べたものです。前宮司さんが、自分で筆記していたものを貰いました。その中で、自分が幼少の頃見た夢と童馬、白蛇、勾玉の事を書いてある一文がありました。何か不思議な一致をするので、興味を持って父と一緒に整理したのが、こちらの資料です。それと、香月博士が指摘され、競翔に影響ある磁場についても、4年前にほぼ敦盛の解明が終わって、香月博士にも提供しました。それが、こちらの資料です」




