志村恭介編 ニ尾城
志村は品川を残して、単独政春の家に訪れる事となった。あれから6年後の事であり、今や俵 清治と言えば、清竜号の使翔者として競翔界では第一人者と言われる天才競翔家として名高い。こんな所に動物学者と考古学者の接点が又出来ようとしていた。
訪れた俵家で、*高校生となった清治少年が出迎えた。彼は、若い日の香月を見るような輝きを持った少年に大きく成長していた。彼の不思議な感性は今も健在のようだが、この情報を、現実論者である筈の志村でさえも信憑性を持っていた。清治の能力は本物・・彼は思っていた。
*重要ポイント。清治は18歳以上年齢を重ねない。そして、清治がこの年まで成長した事と、斎藤真世との接点を持った事から、こう言う話が初めて出て来た。何者かはそれは分からない。ずっと、ずっと後に判明する事柄だが・・当人達には自覚も何も勿論この時には無い。
「何・・!水龍の振らせた竜鱗に反応したと?」
「はい・・急ぎ紫竜をその使いとして、監視させております。ですが、微弱なものですから、一つでは無く、複数ですし」
「複数だと?むむう・・それは、二人だったとしたら」
「いえ・・まだ分かりません」
「頼む・・唯一の手段は、水龍のみしか無い」
「はい・・」
ここで、そのやりとりは終わった。少なくても、清治が存在する次元内の話ではないようだ。




