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志村恭介編 ニ尾城
「そうですね、結局四国から岡山に来た意味がありませんね」
脇坂の言う本当の意味とは何だろうか・・志村は考えていた。そこで明朝になり志村達は、西方城から南西の方角に当たる小高い山の斜面を調べていて、数個の少し気になる岩石を見つけ、そのまま都屋新館の高村の所に持参したのである。品川は別行動で、西方城址の発掘品を展示してある、町営民族資料館へ向かった。
「・・・ふーーーん、これは珍しい・・どこで拾った?」
高村が一瞬考えるような仕草をしたが、言葉を続けた。
「この石はなあ、この辺の地層では無い石なんだ」




