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志村恭介編 ニ尾城
奥にある一室に通された二人に、高村は旅館の温泉に入るよう勧めた。都屋旅館の地下から良質で豊富な湯量の温泉が湧き出た為に、この辺の温泉宿中でも超一流の旅館に生まれ変わったのだと言う。
四国での疲れを癒すように、志村も品川も大きな風呂に入っていた。そこへ高村も裸同士で会話しようと入浴して来た。
「先輩、先輩に商才があるとは思いませんでした。それにあんな美しい女将さんと再婚されるなんて、見直しましたよ」
「はは・・こいつ。だが、旅館は女将の力量よ。俺は商売には向いていない」




