季節の移ろい
清治の夢・・・・・
清治少年の所へ白馬がやって来た、その背に乗れと白馬は前足を屈めた。その白馬に乗ると、天空高く舞い上がり、燦然と輝く銀河の中心を駆け巡った。大小の星々は赤・黄・青色とりどりの流星の帯となって、その美しい様に清治は見とれた。やがて白馬はその中で、一際赤く輝く星へ向かった。白馬がその星の大地に舞い降りる。辺り一面は、真っ白な霧に包まれた世界。きょろきょろする清治の向こうから一条の光が差し込み、そして眼前には青い海が広がる。その先はどこまでも果てがなく、砂浜もどこまでも続いていた。その時白馬は消え、寄せては、返し、寄せては返しの海が眼前にただあるのみ。清治はその場所に座った。そして何をする事も無く、ただ呆然と座っている。その光景は優しく、清治を包み込むような温かいものだった。その眼前の海が突如開かれた。清治を誘うように海が左右に割れ、道が出現したのだ。その道を歩いて行く清治。その先は海が消え、清治は今度は草原に立っていた。そこへ再び白馬が現れ、今度は白い雲の中を進んで行くと、眼前には棹の杜。白馬は、その中の一本の木を示した。まるで、その木の根元を掘れ・・そう言う仕草だった。
そこで清治の夢は終わった。
*白馬こそは、これから登場して行く大きなキーなのだ。清治の夢は、清治の長い流転の運命の中で、度々登場して行く。




